児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -129/157page
このことから、学習カードを使った学び合いを通して、友達や教師とのかかわりが豊かになり意欲が高まった様子や心情面の変容を把握することができた。
しかし、内容が多かったせいか記入に時間がかかりすぎたり、十分に検討しないまま記入する姿があった。短時間で記入できる効果的なカードの作成が課題である。
2―E VTR
2―F
多様な活動の場の設定◇「自分の技がどの程度上達しているのか」「膝を伸ばしているつもりだが実際はどうなのか」など、いつでも自分の姿や状況を客観的に確かめるためにVTRの活用を図る。複数で取り組ませ、操作も児童に協力して行わせる。
◇段階的に練習を行わせるため、前方倒立回転ではステージとフロアーとの落差を利用した場の設定(セーフティマットを設置し安全面に配慮)、伸膝系では踏切板を利用した傾斜の設定など、技能や思考の実態に応じ活動の場を工夫させる。
[ 活用の場 ]
・VTRは毎時間必要に応じ設置し、自由に活用させる。
・教師は、効果的に活用しているか、安全性は十分かなどに配慮し、必要に応じ支援や帯助を行う。
技のできばえを確認するため、VTRの前に行き、撮影係と演技側に分かれ、撮影・再生し自分の動きを確かめた。「あれ、もっと脚が伸びていると思ったのにな」「ぼくの前方倒立回転は、ちょっとつぶれた形だね、脚を振り上げる勢いが弱いのかな」という具合に、自分たちで振り返ることができるようになってきた。また、なかなか上達しないときには前段階の活動の場に戻って、見合い・教え合いながら熱心に取り組む姿が見られた。さらに効果的に学習を進めるために、数台活用できる場を設定したい。
3.ポートフォリオによる
評価の累積・活用◇毎時間、アドバイス表には技能面に関するアドバイスのやりとりを記録させ、学習カードには意欲や成就感など主に心情面に関する内容を記入・ファイリングさせ、またVTRでは1時間ごとに技の習得状況を自主的に撮影させる。
◇前時まで累積した内容を、課題づくりや本時の技のできばえとの比較検討に活用させる。
◇教師は、児童の活動が円滑に行われるように、技の習得におけるつまずきや心情面の変容、学び方にかかわる状況を把握し、個人の学習活動や学び合いの場への適切な支援及び指導過程・単元構成の修正に活用する。