児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -130/157page
各自が自己の技能の向上及び友達との豊かなかかわりや意欲などの変容を把握しながら、単元全体を進めることができた。教師にとっても児童一人一人の状況をより正確に把握することができ、個に応じた指導、学び方・技能習得への支援、指導過程・単元構成の修正に役立たせることができた。
他との豊かなかかわりの中で自己を具体的に把握できたので、和やかな雰囲気の中にも真剣に取り組む姿、相手を尊重し思いやる協力的な言動、思うように上達しなくても何度も挑戦する姿へと導くことができた。
4.教師の支援
◇児童一人一人が、どの技に挑戦しているのか、どこにつまづいているのか、どのようにポイントに気付かせ、活動の場をどう工夫させれば解決可能かなどを、前記資料と観察により正確に把握する。個の実状に応じて、学び合いを活発にさせる指示、ポイントの再確認など、方策を講じる。併せて、膝・足首が仲びている美しさや勢いなど、その児童のよさ、技能のわずかな伸び、熱心に取り組む姿勢、協力的に学び合う態度を見逃さず「○○君、スピードがあってダイナミックだね」と称賛や承認に心掛け、必要に応じ帯助を行う。
多角的な資料の収集が、児童一人一人の実態把握に役立ち、個に応じた具体的な支援・指導が可能となった。
たとえば、肥満傾向で運動を苦手とし、普段から意欲の低い児童については、本単元でも鈍い活動状況だったが、前転一つに称賛や承認したり幇助することにより、次第に意欲的に取り組むようになった。さらに、友達の励ましでより意欲を高めた。
このように、児童が安心して生き生きと活動するようになった。新しい技の習得率(1クラス35名)
◇伸膝前転・・・26% ◇倒立前転・・・・65% ◇ロンダード・・・26%
◇伸膝後転・・・56% ◇側方倒立回転・・74% ◇前方倒立回転・・59%
◇跳び前転・・・97%