児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -144/157page

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第3章 [ 生きるカ ] をはぐくむ評価の在り方

 新学習指導要領は、基礎的・基本的な内容の確実な習得を図り、自ら学び自ら考える力などの [生きる力] を育成することを基本的なねらいとしており、そのねらいを実現するために、平成12年12月に教育課程審議会答申が出された。
 その概要とこれから各学校で実施していく評価についての考え方と方法について述べる。


I 評価の機能とこれからの評価の基本的な考え方

1 評価の機能と今後の課題

(1) 評価の機能と役割

1.児童生徒の学習状況等の評価
 学習の評価は、教育がその目標に照らしてどのように行われ、児童生徒がその目標の実現に向けてどのように変容しているかを明らかにし、また、どのような点でつまずき、それを改善するためにどのように支援していけばいいのかを明らかにしようとする、いわば、教育改善の方向というべきものであり、学習の評価を適切に行うことは公の教育機関である学校の基本的な責務である。
 また、児童生徒にとって評価は、自らの学習状況に気付き、自分を見つめ直すきっかけとなり、その後の学習や発達を促すという意義がある。

2.学習指導と評価の一体化の必要性
 自ら学び自ら考える力などの [生きる力] の育成を目指すこれからの教育の在り方から考えて、児童生徒一人一人のよさや可能性を積極的に評価し、豊かな自己実現に役立つようにすることである。これは、学校や教員が、指導計画や指導方法、教材、学習活動等を振り返り、よりよい指導に役立つようにすることであり、評価とは児童生徒のための評価であると同時に、学校や教員が進める教育自体の評価でもあるともいうことができる。このようなことから指導と評価は表裏一体をなすものであり、学校においては学習指導と評価が常に一体となって行われることが求められる。

3.家庭や地域の人々との協カ
 今日、学校教育においては、保護者、地域の人々、国民全体に対して学校ではどのような教育を進めているのか・児童生徒にどのような資質や熊力が身に付いているのか、児童生徒の学習状況等にどのような問題があり、今後どのような改善を図る必要があるのか、そのために家庭や地域の人々とどのような協力をしていく必要があるのかなどについて十分説明していくことが必要である。


(2) 評価の重要性の高まり

1.学力については「これを単なる知識の量ととらえるのではなく、自ら学び自ら考える力などの [生きる力] を身につけているかどうかによってとらえるべきである」とし、新しい教育課程の下での評価の在り方について、「基礎・基本の徹底や個性を生かす教育を充実する観点からは、学習の過程を重視したり、児童生徒のよい点や進歩の状況を積極的に評価すること、また、児童生徒が自らの学習過程を振り返り、新たな自分の目標や課題を持って学習を進めていけるような評価を行うことなどが求められるとともに、いわゆる絶対評価や相対評価、個人内評価を含め、評価の在り方について検討する必要がある」と指摘した。


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