教育福島0002号(1975年(S50)06月)-020page
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二、教材精選の実践例
郡山市立橘小学校
本校では、「教授・学習過程を改善し学習効果を高める指導法の研究」という研究主題のもとに、算数科の指導法を中心として研究して来た。この研究を進めるに当たって、どうしても欠かすことができなかったのは、教材の精選をどう進めるかという問題であった。
(一) 本校での教材精選の観点
教材精選は、目標を的確には握し、内容をすっきり系統だて、効率のよい指導をすることをとらえ、そのため、
(1) 単元指導計画では、算数科として基本的・本質的なものの指導から、他の類似の構造・原理・法則の発見等に転移できる力が養えるよう教材の構造化を図る。
(2) 毎時では、既知事項(内容・解法)をもとにして学習が進められ、それが次時への発展につながるように教材・要素の選択をし、その指導過程に改善を加える。とした。
(二) 単元の構造化
本校で構造化とは、学習指導を前提とし、児童の実態や思考、学習時間を考えた教材の再構成ととらえている。
そこで、最初に、教材の中核となる目標をは握する。この段階では、学習指導要領の内容との対照により、単元の指導目標を精選して取り上げ、その精選された目標を分析して各時間の目標内容を端的にとらえるようにしている。次に、その教材で習得させる基本的な内容・要素のは握→これらを数学の系統や構造的な面から精選して基本的な要素で表現する。→この要素を再構成するという手順を経て次に示したような単元指導計画を構造図的に表している。
○ 題目−単元の基本となる内容・要素を簡潔な言葉で表現
○ 内容−単位時の中心的な内容
○ 評価−学習終了時点における行動変容の基準
○ 教材内容−要素間の関係(既知と本時)のは握
このように、教材の構成を図式化することにより、前後の関連が明らかになり、それが教材の精選と集約化につながる。実際の指導においても全体の脈絡を正しく受け止めて指導することができる。
(三) 指導の展開と教材の精選
問題解決を既知との関連で考えさせ解決や結果を得させるのが、一応の指導展開の基本である。そのためには、既知と本時の未知事項(内容・要素)をどう選定し、どのように児童に与えるのかが問題となる。
指導展開に当たっての観点は、
(1) 本時の問題・課題は、前後の関連を考え、既知との関係でとらえ、解決の糸口をつかめるように教材を構成する。
(2) 技能的教材(例・計算)以外は、一単位時をとる練習内容を毎時に案分し、教材の集約化を行う。
(3) 単元終末にとる評価時間の特設を避け、毎時の中で評価する。
(4) 以上を踏まえ、指導過程(指導段階の組み方)を工夫する。とした。
本校での指導過程の基本型は次のとおりである。
(四) 導入段階における教材の構成既知を土台として未知を開く、という学習指導の本質を考えたとき、授業の導入段階での既知事項を生かした教材の構成は、教材精選の中でも特に重要な部分である。ここでは、新教材に入る場合の導入段階での教材構成の一例をあげることとする。
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算数科の授業風景
第4学年算数科指導計画
1 単元名 面積
2 目標
(1) 「面積」の概念を明確に形成する。
(2) 面積は単位の広さのいくつ分として測定できることを理解させる。
(3) 長方形,正方形の面積を求める公式を理解させ,その活用を図る。
(4) 面積の単位,その相互関係を理解させる。
3 指導計画(指導総時数8)
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