教育福島0002号(1975年(S50)06月)-021page
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(五) まとめ
教材の精選ということが、単に取捨選択に終われば、指導しなければならないことをしないで終わってしまうことにもなりかねない。
上・下学年、学年内、他単元等の教材内容との関連において指導を進めることは、教材精選の根幹であり、学習の効率を図るうえでも重要なことである。
たくさんの教材・情報を、以上のような観点から児童の実態に合わせ、どう精選し、どう児童に与えて行くかの解決は、教材研究のいかんにかかっていることを痛感し、いっそうの研究を深めたいと思う。(教諭 本柳政雄)
参考資料 郡山市教委刊
「教材研究のあり方」
「授業の展開」
「教材の精選」
三、考察
教材精選をどうしたらよいか、ということは数多く論議されているところであるが、どれも、端的に表しているものがみあたらない。どのように形として表したらよいだろうか、という問いに答えてくれたのが、この橘小学校の実践例ではないだろうか。この研究は、各学校においても役立つところが多いものと思う。
特に、第四学年算数科指導計画は、単元目標の精選に始まって、目標内容の精選、目標に対して評価内容が精選されたかたちで抑えられ、更に教材内容の分析、その分析された教材の中心的なものを構造として図形化している。そして、それらが一つの単元の指導計画としてまとめられ、構造的に表現されているのが特徴であると思う。
この指導計画の長所は、
(1) 単元全体の見通しを一目で知ることができる。
(2) 目標・評価・内容を同時に抑えることができる。
(3) 本時の学習を中心に見たとき、既知事項、発展事項を端的におさえることができる。
(4) 児童の実態に応じて、類似問題を精選して付け加えるだけで、そのまま、授業案にとって代わることができる。
更に、この内容に数学的な考え方が重点化されて取り上げられれば、いっそう充実した単元指導計画になると考える。
小学校における算数科の教材研究のあり方は、いろいろ論議されているが、このようなかたちの指導計画を作って、教材の精選と数学的な考え方の重点化の二面から累積研究するのも一方法であろう。中学校の数学科の教材研究についても同じことが言える。
〈構造・構造化とは〉
算数・数学の教材精選には、必ずと言ってよいくらい、構造・構造化とい
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