教育福島0002号(1975年(S50)06月)-024page
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |
表1 「物質の変化と質量」の展開
![]()
(三) 実践例
少ない教材で物質概念とエネルギー概念の理解を深めるため、精選された教材に◆◆る指導への配慮を行った。その留意点と展開は表のとおりである。特に次の点に力を入れた。
(1) 思考作用を期待したこと。
○鉄の酸化によって生成された酸化鉄に質量増加が見られたことから、感性的なとらえ方に反省を求め、鉄の燃焼には、木炭のような二酸化炭素等の発生がないのかという思考場面に、洞察力・直観力を期待し、知的好奇心の高まりを図つた。(1)と2))
〇演示実験(図3ア)でゴムせんを飛ばすだけの二酸化炭素等が発生することから、気体の密度と結びつけ推理力・応用力の作用で、閉鎖系では質量保存が成立することを理解させた(2))
〇酸化鉄は、鉄の持つ性質とどう違うのかについて究明したときの手法を酸化銅や硫化銅の化合物の相違点の究明にも転移させる過程に、判断力・推理力を働かせ、化学変化の本質と定比例の法則を理解させた。(7)と9))
(2) 質の高い実験装置を目指したこと。
○閉鎖系の条件下で質量保存則が成立することを理解させる実験を支えるものとして図3を加えた。
図3 質量保存の実験
![]()
○「水はほかの物質に〜」13)の留意点が生かせる実験を考えた。
図4は、エネルギー概念に直結させる実験だけに、放電の有無と気体発生の関係がは握できるよう、操作順序には特に配慮した。
図4.水蒸気の分解実験
![]()
・Aの空気が水蒸気によって押し出されたことを確認する。
・水蒸気はCで水となり、気泡は捕集できない。
・Aで放電を行う。Bに気泡が捕集できる。
・放電をやめると、気泡の捕集できない。
Aで分解された酸素と水素は、周囲の水蒸気に冷却され、分離した状態でBに捕集される。
(3) 生徒が主体的に探求できるように時間に余裕を持たせたこと。
○酸化鉄も磁石につくが、酸塩との反応や、電気や、さびやすさの観点でいちじるしい違いが認められ、科学変化と物理変化の相違点がとらえられた。(4))
この化合物としての見方は、硫化銅9)への質的変化、水の合成14)のモデル形成に役立てられた。
また、「スチールウールが燃焼する
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |