教育福島0002号(1975年(S50)06月)-028page
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きねらいと範囲と程度を具体的にとらえる。(表2参照)
4) 生徒・学校・地域の実態を踏まえ、この題材の重点を明確にし、内容の取り扱いに軽重をかけ、時数配当にも配慮し構造化を図る。
5) 教材や生徒の実態に即し、指導の重点を明らかにした指導過程、指導法を工夫する。
体育・保健体育科
一、教材精選の必要性
能力の多様化している児童・生徒の指導に当たり、指導者が直面している問題点の中で、特に「年間計画に基づく指導内容を限られた時間内に消化しきれない」という指導時数の不足、もしくは教材の量が多すぎるといったことがある。
このため「運動技能の向上を求める子供の願いにこたえることができない」また時には「運動ぎらいや体育ぎらいをつくってしまう」ことがあるのではないか。
このような問題を解明して行くために、今の体育教材から基本的な教材(重点教材)を選定し、その教材の最も基本となるところを見つめて、その特性を授業において十分生かしきるための指導法や教材研究を進め、年間計画を再編成するとともに、体育科教育では、児童・生徒にどんな力を期待し何を習得させるのかをもう一度考える必要がある。
二、教材精選の観点
精選に当たっては、各学年の目標・内容の趣旨を逸脱したり、児童・生徒が負担過重にならないように配慮する。また、各領域の内容(教材)が効果的に扱われ、その結果が教科目標の達成につながるようにしなければならない。
(1) 各学年の目標、各領域の内容を検討し、児童・生徒の実態に即して学年の重点を明らかにする。
(2) 学年内・学年間の各領域の調和を図る。(小・中学校を見通しての計画)
(3) 地域の実情や学級数、施設設備など学校の実情を考慮する。
三、教材精選の手順
「年間計画を具体的に検討する。」
教科書のある教科は、一般的に見てその教科書に依存して学習が進められている場合が多いが、体育においては教科書がないので、(中学校の知識、保健は除く)教師自身が学習指導要領、指導書等により内容を構成し指導計画を作成して指導に当たらなければならない。すなわち、教科体育において指導内容を精選、集約する具体的な手順は、まず年間指導計画を作成することが現段階としては最も重要なことになる。年間計画作成上配慮すべき事項として、
(1) 各学年の指導内容について、各運動領域別に運動内容(教材)の重点的取り扱いができるようにする。大部分の運動内容は、小学校においては、低・中・高学年ごとにまとまりがあり、それぞれ二学年の運動内容が共通しているので、学年のねらいと、指導する内容を明らかにする、中学校においても学年のねらいと指導する内容を明確にする。(低学年−遊び、中学年−初歩的技能、高学年−基礎的技能、中学校−初歩的段階、進んだ段階−更に進んだ段階)
(2) 単元構成において、いくつかの運動を組み合せる場合は、それぞれの運動の特性に基づいて、より有効なものとする。
(3) 学習指導要領「内容の取り扱い」の項を考慮して、学校の実情に即して、内容の軽減、代替えを適切に行う。(例=小学校−バスケットボール、中学校−ハンドボール、三年の球技の代替え)
(4) 季節や天候と学校の実態(生徒数、施設、用具)を考慮して、単元を配列する。
以上のことを配慮して、学年別に取り上げる内容を決め、限られた授業時数の中で、学習指導が能率的、効果的に行えるよう各運動の特性、児童・生徒の学習能力、男女の特性、学校の施設・用具、教師の指導力などを考慮して各領域別の内容を再編成し、学習内容としてまとまりをつける必要がある。
これらのまとまりを実際の学習指導に役立てるためには、具体化されなければならない。そこで運動を中心にした学習の単元指導計画を作成するに当たっての要点をあげると、
(1) 基本的に何をねらっているか、ねらいを具体的に明らかにする。
(2) 運動の特性と技能の系統、技術の構造を抑え、学習内容をできるだけ具体化する。
(3) 学習段階に応じた学習活動と指導の重点を明らかにする。児童・生徒がどのような学習活動をどのような順序で進めるか、それに応じて、教師はどのような指導を加えて行くかについて具体的に見通しを立てる。すなわち体育の学習は、体操では体力を高める運動の練習を、スポーツやダンスでは技能の習得を中心に展開されるが、それぞれの内容について、指導する時間や回数に応じ、どのような順序で、どこに重点をおいて指導するかを具体化し、そこでどのような社会的経験がなされるか、どのような健康・安全に対する態度が必要かを考えて、それぞれの内容を選定して位置づけを行うことである。
外国語科
一、教材精選の必要性
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