教育福島0002号(1975年(S50)06月)-029page
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外国語科の目標は、「外国語を理解し表現する能力の基礎を養い………」とあり、更に、各学年の目標においても初歩的な外国語を用いて指導することになっている。このことから、教材の選択に当たっては、基礎的なもの、初歩的なものを取り上げることは当然であり、また、外国語が中学校において初めて学習する教科であることも考慮して、基本的な言語材料を選ぶべきである。
二、教材精選の観点
学習指導要領に示された言語材料を基準とするが、生徒の能力適性によって重点の置き方を工夫する。特に、第三学年における※印を付した事項の指導に当たっては、生徒の負担過重にならないように配慮する。
語いについては、学習指導要領別表1及び別表2に示された基本語句は、理解できるだけでなく、表現できるように指導するが、その他の語句は、生徒の学力に応じて弾力的に取り扱う。
教科書と学習指導要領に示された内容との関連において、言語材料の配列を検討し、一単位時間における指導の重点事項をできる限り少なくする。
教科書の内容をすべて同じように取り扱うのではなく、学習の遅れがちな生徒に対する配慮を忘れず、軽く取り扱ってもよいものを明らかにしておく。
外国語における精選は、学習指導要領に示された、基本的な表現形式の学習において使用される、語句や内容について、行われるべきであり、日常生活の身近な事柄に関する教材を、たえず取り上げることが望ましい。
三、教材精選の手順
学習指導要領並びに教科書を熟読し、中学校英語の内容をは握するとともにその教材構造を明確にする。
地域や学校の実態を知るために、これまでの生徒の学習の記録を検討し、更に、生徒の学力を個人ごとに明らかにする。
下位群の生徒の学習を基準にして、できるだけ小さな段階によって指導内容を配列すると同時に、上位群の生徒に与えるやや程度の高い教材を準備しておく。
指導計画の作成に当たっては、次の点に留意する。
指導計画は固定化したものではなくた、えず修正し改善できる弾力的なものにする。
目標を明確にし、教材が生徒の実態に即しているかどうかを、具体的に確認できるような評価問題を準備する。
一単位時間における教材の選択配列は、単一なものではなく、一人一人の生徒の最適学習を可能にするだけの幅を持たせる。
各領域の指導に当たっては、生徒の興味や関心を高めるように、それぞれの領域に適した教材を選択する。
道徳の時間
一、重点化の必要性
学習指導要領の第三「指導計画の作成と内容の取り扱い」の1には、「第二の内容に掲げる事項は、すべて、いずれの学年においても指導しなければならないものであるが、指導計画の作成に当たっては、各学年の各教科及び特別活動における道徳教育との関連において、特に必要とされる内容についてこれを重点的に取り上げ、また、いくつかの内容を関連づけて指導するように配慮することが必要である。」と述べてある。
道徳教育は学校の教育活動全体で行われるものであるから、「道徳」の時間だけで道徳教育のねらいがすべて達成されるとは限っていない。そこで、「道徳」の時間においては、小学校の三十二項目、中学校の十三項目の内容をもれなく平均的に取り上げて指導するよりも、いくつかの内容に力点を置き、重点的に指導するほうが、かえって道徳性の深まりが期待できるというのである。
二、重点化の観点と手順
(一) 学校の教育目標を全教員で十分に検討をし、その内容と、道徳の内容との関係をしっかりと抑えることである。
(二) 学校の教育目標を達成するために道徳教育の面から、どのように迫って行くのが適当であるかを、全員の討議によって明らかにする。
(三) 道徳の内容について重点を決め、関連内容を明確にして、繰り返し指導の機会を得られるようにする。
(四) 道徳の内容のうち、特に他教科の指導内容と深い関連のあるものについては、それぞれの役割範囲を明らかにする。
(五) 家庭及び地域社会における生活との深い連携のある内容について明らかにする。
(六) 年間指導計画の中に、学校全体としての指導の重点、学年別の指導の重点を明確にする。
重点化に当たっては、次の事項について特に留意したい。
(一) 学校の教育目標や道徳教育の年間指導計画の場合、全体的視野に立ち、決して主観的・局部的に陥らないようにする。
(二) 展開の大要や指導性の変更、修正の場合、その観点を具体的・客観的に考え、指導方法の偏りや形式化を防ぐようにする。
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