教育福島0002号(1975年(S50)06月)-039page
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わが町の生がい教育
社会教育の充実をめざして
伊達郡飯野町教育委員会
飯野町は県都福島市の南東十六キロメートルの、阿武隈山系に属する丘陵地帯に位置し、面積二十・八二平方キロメートル、人口七千八百九十七人の町である。
社会教育施設として、昨年十月に町民待望の福祉センターが完成、現在までの利用者は一万六千人を越し、住民一人当たり二回以上の利用率となり、生がい教育のセンターとしての果たす役割が期待されている。
一、教育基本計画の推進
町教育委員会では、本町の教育進展のため、生がい教育の視点に立ち、長期的、総合的プラン樹立のための教育の基礎条件及び施設設備を克明に調査した。更に、それに基づき教育計画懇談会、アンケート調査、専門委員会、町議会文教関係委員会、庁内課長会議等にはかり、町長期計画との関連を図りつつ、幼児期から全生がいにわたって昭和五十年度を初年度として、昭和六十年までの十か年にわたっての「飯野町教育基本計画」を策定した。
この基本計画を本町社会教育を進める指針として、現在積極的に推進に努めている。
二、社会教育体制の確立
(一) 指導体制の整備
昭和四十八年度までは、館長(兼務)主事の二名の状態であり、指導体制の整備が急務であった。四十九年度から館長(専任)社教主事二名(派遣一)主事、用務係の五名に整備され、いちおうの指導体制ができあがった。
(二) 分館長、分館主事に民間人起用
昨年まで分館長、分館主事は、各地区内の小学校長、教頭の兼務であったのを、本年度より民間人の社会教育に対する関心を高めるため、民間人を起用し分館活動の推進に努めている。
(三) 社会教育関係委員の合同会議
本町の社会教育を推進する協力態勢の特色として、社会教育関係委員の合同会議がある。
教育委員、社会教育委員、公民館運営審議会委員、分館長、分館主事、文化財調査委員、体育指導委員の合同会議を年二回開催し、本町の教育基本計画に基づく社会教育の諸問題について話し合い、総合的な観点から推進して行く協力態勢ができたことは、一歩前進と受けとめている。
三、公民館事業の充実
センター完成を機に、従来の公民館像を払しょくし、生がい教育の視点に立った公民館事業を目指している。
(一) 学級・講座等の増設
青年、家庭教育、婦人、高齢者の各学級のほかに、本年度は幼児を持つ両親を対象にした幼児学級の開設、更に町民講座・教室等の開設と意欲的に取り組んでいる。
(二) 行事の充実
従来の町民文化祭に加え、各種の文化団体の結成を機に「芸能祭」「さつき展」「囲碁・将棋大会」「講演会」等と多彩な年間。プログラムを組み、イメージアップを図っている。
(三) 社会体育の振興
社会体育施設のない現況にありながら、スポーツ少年団(団員二百八十名)の育成、各種スポーツ教室、大会の開催を実施している。本年度は、体育指導員三名を増員し、指導体制の強化を図るとともに、町営グラウンド建設計画の推進に努めている。
四、文化財保護活動
文化財調査委員会では、失われ行く民俗資料を保護するため、町内にうずもれている民俗資料収集に意欲的に取り組み、二百点近い収集成果をあげ、本年度「民俗資料展」開催の運びになった。
将来は博物館建設に努力したい。
以上が社会教育の充実を目指し、一歩一歩前進に努めている本町の実態である。
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婦人学級の料理実習風景
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