教育福島0002号(1975年(S50)06月)-042page
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わが村の生がい教育
情操豊かな人間形成をめざして
南会津郡南郷村教育委員会
一、はじめに
南郷村は、南会津西部の中央に位置し、面積百十九余平方キロメートル、人口わずか四千二百人余で「大自然のふところに包まれた、情操豊かないで湯の山村」である。当村が誇るものに“村民の想いの場、親と子のあるいは村民の対話の場”として建設された村営の地域生活センターさゆり荘(鉄筋コンクリート五階建て一とう、木造モルタル三階建て一とう)と、さゆりボウル(八レーン)がある。
二、社会教育施設
昭和四十四年に完成した南郷開発総合センター(南郷村公民館併設、鉄筋コンフリート三階建て、二千百十一平方メートル)は児童室、図書室、娯楽室、結婚式場などを備え、社会教育関係唯一の施設であり、村民の利用は年間延べ二万人以上である。
三、社会教育
情操豊かな人間形成を目指して教育長以下専任の社会教育主事、社会教育指導員、センター職員と兼任の公民館主事二名が一丸となって社会教育の推進に取り組んでいる。幼児教育から高齢者教育、芸術文化の振興から社会体育の強化に至るまでどの領域もおろそかにせず、その充実に努めている。
四、特色のある領域
情操豊かな郷土づくりにつながる民俗芸能のふるさと指定を受けたこと、先人の残した文化遺産の収集保存に関することや文化団体の活動が活発であることが特色ある主なものである。
(一)文化財保護関係
文化財及び古民具の発掘収集については、五人の文化財調査委員と十人の古民具調査委員が協力し、年間を通じて活動を続けている。
昨年度は「伊南川の漁具コレクション」七十二点がその価値を認められ、県重要民俗資料として内定の旨県教委から通知があった。本年度は「燈火具コレクション」の指定を目標に作業中である。このほか総合センター古民具展示室には、展示した古民具が約五百点あり、更に整理中のもの七百点を数えている。これら古民具は、村産業課が山振事業の一つとして昨年度移転復元工事を完成させた曲家に展示し、同曲家を歴史資料館として開館する計画である。また当教育委員会はその隣りに明治時代の水路工事を移転復元したが、本年度水車小屋の完成を待ってオープンする予定である。
(二)文化団体の活動状況
公民館と文化協会では、年間を通じ生花をはじめ茶道、謡曲、仕舞、民謡ギターなどの各教室を定期的に開設しているが、特に生花、茶道、謡曲、仕舞教室には児童生徒が多数参加し、情操教育に大いに役立っている。
文化協会にはこのほか、菊花盆栽愛好会、民芸品振興会、将棋、囲碁、写真、郷士史研究などの各クラブが所属し独自の会運営を行っている。
毎年十一月一日から十日まで、公民館と文化協会が村民文化祭を開催し、各クラブの展示会、発表会、茶会などのほか、村民芸能祭等多彩な行事を展開する。
五、情操豊かな人間形成
幼児教育から高齢者教育まで幅広い領域の中で、在学青少年の社会教育も大切な一つの領域であるので、本村では、児童・生徒の各種作品展示会とコンクール、子供の日と文化の日の子供映画会及びチビッ子球技大会の開催やスポーツ少年団、生徒育成会への育成援助、児童・生徒作文集の発行、民俗芸能行事への参加奨励など諸計画を立て実践し成果をあげている。
今後は学校、社会、家庭がより一層の連携を深めながら情操豊かな人間形成と明るい村.つくりを目指して推進して行く方針である。
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移転復元した水車小屋
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