教育福島0004号(1975年(S50)08月)-015page

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実践例

 

社会科における活用

白河市立白河中央中学校

 

一、はじめに

本校は昭和四十七年度より学校課題の継続研究として「教育機器導入による学習指導法の改善」という主題で実践的研究に取り組んでいる。その間、教育機器の設備充実にも力を入れ、OHP・三十三台、三十一学級全クラスと特別教室にスプリングローラー式スクリーンを取りつけ、常時OHPを活用できるようになっている。更に、VTR、SF、AN、TV用カメラなど視聴覚室の施設が充実され、各教科で実践的研究が進められている。

社会科研究部は、昨年「OHP、VTRの効果的な活用法」について実践研究を進めてきたので、その一端を述べてみたい。

二、社会科におけるOHPの活用

(一) TPの位置づけをプロセスフローチャートに明確にする。

目標、内容を構造的にとらえTPを位置づける。これは、TPによる提示の意味を的確にするためである、授業設計から実施までについて「武家政治の始まり」の学習を例にしながら、単位時間の展開について述べてみる。

(二) 目標行動の論理分析をする。

目標行動の分析は各教科共通とし、事前研究の視点としては、1)目標分析、2)レディネスのは握、3)構造分析の三つを取り上げている。

三、実践例

(一) 単元名「武家政治の進展」

(二) 目標・指導計画−−略−−

(三) 目標行動

「蒙古襲来が幕府に及ぼした影響を、幕府の衰えと関連させて説明できる」

目標行動は生徒が、学習することによって外部に現われるであろうと期待できる行動をあらかじめ細かく設定したものであり、その行動を目標値としてとらえ、観察、判断、評価し、指導や援助に役立てていくためのものである。

特に社会科では、1)社会生活を正しく理解するための基礎資料を活用する能力、2)社会事象を観察する能力、3)思考力を伸ばして社会的判断の基礎を養うことが重要なねらいであり、この意味からも、目標を具体的にとらえていくことがたいせつである。

(四) 下位目標行動

1) 蒙古帝国を地図上で指摘し中国全土を支配していたことを述べることができる。

2) 蒙古からの使者が度々大宰府に来たことを年表より指摘できる、

3) 文永の役について来冠のコース、戦いのありさまをTP1より述べることができる。

−−−−−略−−−−−

目標行動を更に具体的目標行動として設定するのが、下位目標行動である。それにより目標が明確化され、フローチャートの中に位置づけることができる。

(五) TPの位置づけ

左表のように媒体としてOHP、TPの位置づけが明確にされると、内容、表現、方法とも決まるので、むだがなくTPが活用できることになる。

図1は特にTPを工夫し、1)〜4)までオーバーレイすることによって授業の効果をあげることができた。

図2は、年表の提示を工夫したもので単なる提示でなく、課題解決への手がかりとしてマスキング法を用いることにより、思考させながら進めることができ、更にフィードバックがより確かなものになる。

 

指導過程

 

 

 

 


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