教育福島0004号(1975年(S50)08月)-017page

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(四) 指導の実際例

二、中学年の旋律創作指導の実践

 

二、中学年の旋律創作指導の実践

(一) 題材 節づくり(笛)

(二) 目標

決められたリズムを用いて、笛で旋律の即興奏ができる。

(三) 学習活動例(展開案)

 

三、指導の後を振り返って

 

三、指導の後を振り返って

中学年の場合は、あくまで楽しくできることをねらいとすべきである。教師自身も指導法に創意と工夫を凝らし児童に興味を持たせながらむりなく力をつけるようにしたいものである。笛の音の高さを色によって再表現(再確認)させ、シランの三音を使ってのわらべ歌ふうの旋律による節作りには、たいへん効果的であった。また、OHPを使って色別に写し出したら、歓声をあげて喜び、生き生きとした学習が展開された。

高学年の場合も、教科書に示されている創作の学習を、二十分くらい断片的に行っても決して効果はあがらないだろう。児童に意欲を持たせるには、それなりの教師の熱意と工夫が必要であることを、今痛感しているしだいである。

 

(教諭 後藤昌子)

(教諭 後藤昌子)

 

□考察□

 

音楽科においては、創作領域面が手薄になりがちである。また、指導も断片的になりやすいことも指摘されてきている。

こういった中で、計画的に、しかも児童の興味をひきながら指導を継続してきたこの実践例は、数多くの示唆を与えている。

その第一は、児童の思考の過程や速度に合わせてリズムを提示したり、旋律の比較をさせていることである。このことは、OHPとシートの特性をじゅうぶん生かした扱いということができる。単一シートでなく、「重ねる」、「分解する」、「消す〜再現する」といった方法を駆使しながら、児童の理解や反応に即応した扱いを試みるならばその効果はいっそう高まるものと考えられる。

第二は、色彩の効果を生かしているということである。投影した映像の中のある部分の相違を分類・区分したり問題の中心点や部分を強調したりするために、各種の色彩は際立った効果をもたらす。これは、児童の問題意識や関心を高め、興味、注意力の集中化を図ると同時に、内容理解を容易にするという利点につながる。

第三は、教師のアイデアが生かされていることである。児童の学習の様相をよくみつめ、問題点を解決するための工夫と努力は、高く評価されよう。

 

 

 


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