教育福島0004号(1975年(S50)08月)-026page
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四、実践例
題材名:跳び箱運動 2年1,2組
主眼:腕立て前転ができるようになる。
行動目標:省略
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資料1
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五、生徒の反応
(一) 学習態度の変容
生徒相互の批評、助言の仕方に深まりが見られ、研究的な学習態度が高まってきた。器具の整備、補助の仕方など安全面に留意する態度もよくなってきている。
(二) アンケートヘの回答(記述法)
・ 自分の欠点がよくわかるのでたいへん役に立つ。(全員)
・ 瞬間瞬間止めることができたりスローで視聴できるので、よい点や悪い点がよくわかる。 (多数)
・ 順番を決め、もっと各班で自由に使えるようにして欲しい。
・ 大学や高校の選手の演技をビデオで見せて欲しい。
・ 球技などても、もっと数多く使って欲しい。
などが主な回答である。
六、今後の課題
VTRを用いた授業と用いない授業との綿密な比較検証はしていないが、確かに効果はあると思う。しかし、現段階では単なるVTRへの興味ということであるかも知れないし、じゅうぶんに使いこなすというところまでには至っていない。また、身体活動、運動量という教科の特質から見て、マイナスにならないようにしなければならない。いずれにしても、試行的な域を出ていない現在なので、実践を積み重めることが現在の課題である。
(教諭 菅野鉄雄)
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VTR活用の授業
□考察□
この実践例は、VTRを情報提示・フィードバックの二つの機能を取り入れ、授業に生かしているもので、技能習得のためにVTRが有効であることを示唆している。
生徒の反応から推察すると、VTRの一つの特質である映像の静止やスローモーションが可能なことを取り入れ運動状態を分析的に視聴させることにより、明確に要点をとらえさせている。また、生徒自身の運動状態をカメラにとらえ、直ちに再生して、自己評価させるとともに、スローモーションなどの操作を加え、不十分な点を的確に指導している。このようなことは、VTRの導入なしでは考えることのできなかったことであり、技能指導の困難な点の解決に寄与するものである。
この実践例は、VTRを情報提示機器と、フィードバックの機能を持つ機器として使用しているが、VTRの持つ即時再現性をより効果的にフィードバックに生かそうとするならば、一人の教師による指導では、じゅうぶんにその機能を発揮するには限界があるので、ティームティーチングなどの組織を導入することも必要になってくる。
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