教育福島0004号(1975年(S50)08月)-037page

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わが村の生がい教育

 

社会生活を豊かにするために

石川郡玉川村教育委員会

 

一、新しい施設の充実

阿武隈川のほとり石川郡の北部に位置する玉川村は、人口七千百六十七人中学校二校、小学校三校がある。今まで学校施設整備に力を入れ、既に二つの小学校は、新敷地に鉄筋コンクリート造りの校舎と屋体及びプールが完成し、学校施設は一応充実してきた。昨年度から社会教育関係施設の整備にかかり、今年の三月には村民体育館(千三平方メートル)が完成、その隣に鉄筋二階建て八百七十三平方メートルの就業改善センターがこの九月完成の予定である。将来週休二日制に対応した社会教育の新しい施設作りが進められており、これらの施設を活用した社会教育活動が期待されている。

二、高齢者学級

社会の変化に対応できる老人としての役割を見いだし、明るく豊かな生活を送ることができるための高齢者学級を、村の社会福祉協議会、老人クラブなどと連携を図りながら開いている。出席率は非常によく、学級日が楽しみだと言う。

昨年学級生の自主活動で、忘れられてゆく村内の民話、伝説、民謡などを調べて後世に残そうと、みんなで調査し、「玉川の民話、伝説と民謡」(五十六ページ)の冊子を二百部発行した。この冊子は各方面から大変好評で講読希望者が多く、すぐにさばけてしまい関係者を喜ばせた。今年は第二号を出そうと学級生一同、既に調査を始めるなど、張り切っている。

三、青年婦人のリーダー養成

りっぱなリーダーのいる団体は成長してゆく。構成員全員の向上は一挙には実現できない。そこでまずリーダーの育成を図り、次にそのリーダーが中心になって所属団体あるいは周囲の者を高めてゆく、「水の輪方法」を進めている。

青年リーダー研修会は毎年二回の宿泊研修を、青年の家などを利用して実施し、受講者は地域の青年会あるいは職場などでリーダーとして大いに活躍している。

婦人のリーダー研修会も県婦人会館、青年の家を利用して宿泊研修を行い、リーダーの役割についての理解と相互の人間関係を深めることに努めている。そこで話し会った「生活を見直す運動」などは、すぐに地域で取り組むなど、著しい成果が見られる。

四、家庭教育学級

すこやかな子供を育てるための家庭教育学級は、補助学級で二学級を小学校で行っている。

五、社会体育で住民の親ぼく

スポーツ人口の増加を図るため、各部落に男女一名ずつの体育指導委員を委嘱、社会体育の指導に当たっている。主な行事としては、ソフトボール、バレーボール、野球、柔剣道大会、村民登山、体育祭などがあり、どの大会も盛会である。特に村民登山は、人気があり富士山、尾瀬ヶ原をはじめ県内のいくつかの山に及んでいる。体育祭は住民総参加で、これらのスポーツの大会を通して住民相互の親ぼくが大いに図られている。

六、おわりに

ともあれ、急激に変化する社会において住民に要求されることは、変化に適応するための知識や技術を絶えず習得することであり、ますます複雑化する社会や経済のしくみの中で豊かな創造力を身につけ適正な生活を営むことであると思う。相互不信をなくし、社会連帯意識の向上を図り、社会生活を豊かなものにしていくために、関係機関と連携を密にしながら玉川村の社会教育が進められている。

 

青年リーダー研修会(猫苗代積慶寮にて)

青年リーダー研修会(猫苗代積慶寮にて)

 

 

 


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