教育福島0005号(1975年(S50)09月)-024page

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“単位操作”を基本として、“工業計測”を正確に扱う習慣を身につけさせなければならない。またコンピュータ実習や工場見学により、 「化学工業3)」の学習効果を高めるようにしたい。

 

五、「化学工場」について

 

(一) 実習と「化学工場」との関連

「化学工場」の輸送及びボイラーの項目が“単位操作と工業計測”実習に直接関係があり、いずれも科目の進度と実習時期にずれを生じるので、互いに補い合って、内容を十分は握させるようにする。また「化学工場」の授業担当者も“単位操作と工業計測”実習又は化学工場実習担当者であることが望ましい。

(二) 「化学工場」指導上の留意点

「化学工業3)」と密接な連携の下に、実習工場の機器の名称、部品、用途、取り扱い方、安全教育などを実習面で十分活用できるよう配慮すること。また化学技術者養成の目的の下に、機械、電気その他必要事項の基礎知識を習得させ、一〜三年の実習に当たっての総括であることを理解させ、化学工場の概念をは握させる。

(三) まとめと問題点

教科書で扱う電気関係事項は、基礎学力の養成ではなく、一般的知識の養成である。基礎学力が十分なければ、生徒には分かりにくい箇所が多い。

物理1)では一部分しか学習できず全体的な学習が困難である。

そのため実習中に電気関係基礎実験を取り入れ、化学工場の基礎学力の向上を図りたい。

また「化学工場」は、機械・電気の設備管理実習などを通して、保安・安全などの実地に役だつ工業技術者としての素養を高めるよう指導しなければならない。

 

実習と専門科目の関連

商業化

 

商業化

 

「簿記会計1)」における基礎的事項の効果的指導

 

一、はじめに

 

文部省は、工業・商業高校卒業生に対する産業界の評価や処遇並びに今後の職業教育についての意見・動向などに関して、アンケート調査した結果を過日発表した(文部広報七月二十三日付)。ここで、その詳細にわたり紹介する紙幅はないが、商業教育の分野では「ビジネス一般(商業一般・簿記・計算実務など)についての基礎的学力・技術を身につけさせる」ことを望むパーセンテージが非常に高かった。

このことを、「学習指導の質的改善を図るとともに、教材の精選集約を研究」するという、本年度県教育委員会重点施策に照応して考えるとき、基礎的学力の充実は、今後とも重要な実践的研究課題である。

ここでは「簿記会計1)」を取り上げ本県における指導改善の実例を紹介しながら、今後の方向を考察してみたい^

「簿記会計1)」は、本県商業課程の生徒全員が学んでいる科目の一つであり、また、普通課程にあっても三十数校で選択履習させている科目である。八科目からなる経理関係科目群の中でも「基礎的な内容を精選して」「いわゆる簿記一般的な性格を持たせた」(学習指導要領解説・商業編)点から考えても、ここに取り上げる科目としては妥当であろう。

 

二、指導事例の紹介

 

(以下は原町高校酒井雄一郎教諭の貴重な指導体験の事例紹介である。原町高校では、普通課程第二学年生で四単位選択履修させている)

(一) 資産、負債の意味を理解させ、財産の増減表を最初の重点的な指導項目とする。資産、負債の増減のみでなく、増減全額の不一致(損益分になる)にも注意させる。なんといっても、これが仕訳の基礎になるので、一連の十取引程度の問題について財産の増減表を作成させる。三回ぐらい自分で完成させると、大体理解できるようになる。財産の増減表からB/S、P/Lを作成することもできることを理解させる。

(二) B/S(期首と期末)B/Sの関係をよく理解させる。問題を十分に用意して生徒に与える。指名して答えさせる。その都度、考え方について説明する。指名されてできない生徒を大切にしたい。どういう点が理解できないのか。結局は、期首資本と期末資本の差が純利益であるという点が十分に理解できればよいわけであるが、この辺までの学習で意欲のなくなる生徒が出てくる可能性が多いので注意したい。また、理解できると興味を持つようになるので、生徒の

 

 

 


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