教育福島0005号(1975年(S50)09月)-036page

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わが市の生がい教育

 

新しい時代を開く青少年に期待して

郡山市教育委員会

 

真に人間形成が教育の根源とされるならば、それに即応した教育の実践がなければならない。

知育偏重の教育から、価値の多様化に即して「ゆかしく」「ゆたかで」「ゆるがない」生活の信条を堅持することのできる人間教育が必要である。

特に青少年教育は青少年の体内にみなぎるパワーと、英知、自信、忍耐、根気を養成することが肝要である。

当教育委員会は、「本市青年団体の育成方策について」を、昭和四十九年六月十九日社会教育委員会に諮問し、昭和五十年三月二十八日首題の答申を得た。答申原文はスペースの関係で記述できないので要点をまとめたが、広く関係者の問題提起となれば、幸いである。

一、本市青年団の現状と問題点

科学技術の急速な進歩は情報化社会を生み、大量生産・大量消費の時代となり、青年の生活に大きな変化をもたらした。1)農業構造の変化と都市化現象2)社会連帯感の欠如と価値観の変化…が現状として起こった。

(一) 青年団の問題

1) 二十二〜二十三歳が中心、リーダーを一年務めると退団が多い。

2)役員は任期を大過なく過し、団活動を団員のものにしていく熱意に乏しい。

3) 団活動への参加率が低く、一部の役員が企画した事業が多い。

4) 女性団員の活動期間が短いため、男女の数の比率は五対一である。

5) 市青協と単位組織が遊離している、

6) 就農青年が少なく、サラリーマン化し、地域の連帯性に欠ける。

(二) 青年団を取り巻く環境問題

1)親の無理解と大人の側にボランティア精神の欠如が見られる。

2)青年団と他の青年組織との連携が不十分、あわせて青年団出身者との団活動の積み上げがない。

3) 青年たちのエネルギーを発散させることのできる施設が少ない。

4) 公民館など社会教育施設の利用時間の延長困難。気軽に利用し、研修をする宿泊施設がない。

5) 地域における青年団の役割についての自覚が弱い。

6) 教育行政以外の行政(総理府、厚生省など一が進めている青年対策の組織がバラバラである。

(三) 学校教育の面からの問題点

1) 青少年活動への方向づけがない。

2) 高校段階での奉仕活動が地域と密着せず、青少年活動とのつながりがない。

等々の問題点が浮き彫りにされ、これらに関する対策が急務であるとして次の点を要望している。

二、今後の方向と育成方策

(一) 郡山市の青年像(四項目…省略)

(二) 青年団の性格−中正・不変協同・奉仕

(三) 青年団の組織−地域青年組織、職域集団、グループ、サークル糾合

(四) 青年団の年齢 十五−三十歳

(五) 青年団の役割−協同運動の中核体

三、育成方策

(一)行政の立場

(1) 施設の整備…青少年会館の建設、公民館等の充実、学校施設の開放、体育施設、市民運動場の増設、青年の森(野外研修場)の造成

(2) 指導体制の整備…有志指導者の発

掘、青少年団体育成指導員の設置、指導研修に財政的措置

(3) 教育行政体制の刷新充実…職員の増強、予算の確保、施設の充実の再検討

(二) 青年団体の立場…意識高揚、指導者の養成、役割分担、地域課題に取り組む。

(三) 総合調整…行政分野に関する青年の事業を統合的に調整する。

 

青年団の研修風景

青年団の研修風景

 

 

 


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