教育福島0005号(1975年(S50)09月)-038page
わが町の生がい教育
豊かな町づくりをめざして
南会津郡田島町教育委員会
一、はじめに
私たちの町、田島は、県の南西奥会津高原地域にあって、農林業を主とした後進性の強い町である。
しかし、近年の経済事情による大都市への労働力流出は、典型的な過疎化を促進したが、農業近代化事業と企業誘致の推進によって労働力の確保を図るなど、町当局の努力によって農工一体の調和ある町づくりが確立しつつある。
また、広大な山地の高度利用は町発展の生命であり、緑と太陽をキャッチフレーズとした自然利用の観光開発に向かって、理想の町づくりを志向している。
このような町づくりの展望を踏まえ多様化している町民の要請に対応し得る社会教育を振興充実するために、次のような点について努力している。
二、昭和五十年度社会教育重点目標
(一) 生がい教育の重要な機能を果たすため、社会教育施設、設備の計画的拡充整備と活用の促進を図る。
(1) 中央公民館、町民体育館の敷地整備と教育備品の拡充整備
(2) 中央公民館の研修設備の充実
(3) 屋外スポーツ施設整備計画の具体化促進一町民グランド、田島中学校校庭夜間照明施設、永田橋運動公園町立小中学校校庭開放等一
(4) 諸施設・設備の活用の促進と管理体制の強化一施設使用規則の整備一
(二) 社会教育の実際的推進者である
指導者の発掘・養成と指導体制の充実強化を図る。
(1) 民間有識者のリストアップと養成
(2) 社会教育関係団体指導者の研修会派遣
(3) 事務局職員の社会教育関係研修会派遣
(4) 檜沢地区館の積極的運営による地域住民の社会教育活動の促進
(三) 社会教育の特徴である自己教育が、生がいを通じて行われることを期待し、各年齢層を対象に学級を開設して、対象に応じた運営を図り、社会教育関係団体の自主的活動を促進する。
(1) 社会教育学級(家庭教育学級、幼1、小1、中1、婦人学級32、青年教室2、高齢者学級1)の拡充
(2) 社会教育関係団体の健全な活動の助長、育成
(3) 地域子供会育成の指導、助言
(4) 新生活運動の促進
(四) 芸術文化活動は、住民の情操を高める上で不可欠のものであり、優れた芸術に触れる機会を多く持つとともに、文化団体活動の育成を図る。
(1) 田島町文化協会の育成
(2) FMC、劇団プーポの公演開催
(3) 各種展覧会、展示会の開催
(4) 文化講演会、文化講座の開設
(五) スポーツを広く町民のものとして体力づくりを進めるために、体育指導委員、体育協会、公民館等の活動を通じて、スポーツ、レクリエーションの普及及び保健、栄養改善等についての総合的啓発事業を推進する。
(1) 田島町体育協会の育成
(2) 体力づくり事業の計画的推進
(3) 屋外スポーツ施設の計画的活用の推進
(4) スポーツ安全協会傷害保健の加入促進
三、おわりに
社会教育の究極のねらいは、住民各自の自己教育であり、それが受動的ではなく能動的であることを期待するなら、場所一施設)と機会の提供と各階層の要請に対応し得る指導体制の確立が前提と考えられる。これらを年次計画的に推進して、住民と指導者との出会いの機会と施設を提供することが、社会教育の振興充実を図る一つのあり方と考えている。
絵を学ぶ高齢者学級風景