教育福島0008号(1976年(S51)01月)-010page
点を分析し、研究計画を立てた。
予備テストを六月に実施した結果10までのものを一対一に対応して数えることや、5以内の数の違いや、10までの数の大小比較や、mまでの数の合成分解や、20までの数の順序や構成などの基礎事項が十分に定着していないために、数の概念が身についていないことがわかった。
そこで、前提条件であるこれらの基礎事項を九〇%以上理解させるために、四時間かけて追指導をした。
その後、前提テストを行ったところ、九〇%以上の理解率を示したので、たし算、ひき算の指導を行った。
(二) 検証・考察
(1) 検証授業
授業を行うに当たって、導入で必ず本時と関連のある基礎事項を復習させ、これを展開のところで生かすようにしていった。
また、次時の学習については、必ず本時で、次時に学習したいことを話し合わせ、その話し合いの中から、本時と関連づくものを取り上げるようにさせ、むりにならない程度に、できるだけ予習させた。話し合いの中で、学習したいことが本時と関連のないものだけをあげた場合は、教師が指示をするようにした。
授業の流れは、五段階指導の変形として、復習1→目あて及び問題は握→計画・予想1→作業・検証及び考察→発展・練習→まとめ→課題意識という七段階の指導形式を原則としてきた。
次の指導案は、二十時間分の指導案の中の一例であり、その一部分である。
写真1 数図計算尺を使って計算方法の説明
写真2 同じ答えのカード拾い
◆ 第一学年算数科学習指導案
1 単元名 たし算(2)
2 本時の目標
(1) 総括目標
一位数に一位数をたして、繰り
上がりのある加法計算一被加数が
加数より大きい場合一の方法を理解させる。
(2) 行動目標
1)被加数8の10に対する補数2を見つけだすことができる
2)加数5を被加数8の10に対する補数2とほかの数3とに分解できる
3)補数2を被加数8にたして「10といくつ」と、とらえることができる
4)9+7の計算を具体物を使って計算できる
3 前提条件 (略)
4 機器利用のねらい(OHP)
(1) 予想の段階で、簡単なベン図により考えさせる。また、「10といくつ」か、数図を操作することによりとらえさせる
(2) まとめの段階で繰り上がりを一般的にまとめる
5 指導過程
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6 教材教具と反省
(2) 検証授業に使用した視聴覚教材教具及び教育機器
〈視聴覚教材教具〉
○座紙
図1のような紙(座紙)におはじきを載せて移動させ、計算のしかたを考えさせた。
例えば、加法の計算で。8+5は、表1のようにさせた。
表1 8+5の計算
図1 座紙による計算