教育福島0008号(1976年(S51)01月)-035page
わが村の生がい教育
実りある社会教育を
湯川村教育委員会
一、はじめに
湯川村は、会津盆地の中央に位置し北は、猪苗代湖に源を発する清流日橋川を境として塩川町と接し、西は、阿賀川の本流大川を隔て会津坂下町と接している。東は、河東村、南は、会津若松市である。ちょう望極めてよく、遥かに霊峰飯豊山を仰ぎ、磐梯の秀峰を東に、南会津の連峰を南に望む平和な田園の純農村地域である。
面積十六余平方キロメートル、人口は、三千八百九十九人(昭和五十年十一月一日現在)の小規模な村である。
また、重要文化財として勝常寺薬師堂ほか仏像十二◆があり、遠く大同元年弘法大師の命により、徳一上人が開基せられたと伝えられている。
教育機関としては、統合中学校一、小学校二、幼稚園一、ほか児童館一、社会教育施設として、公民館がある。
二、社会教育施設
昭和四十九年に社会教育センターとしての公民館が、時代の要請と住民の要望で「村民憩いの場」「自己研修の場」「対話と協力の場」として村の中央に完成。(鉄筋コンクリート二階建て、八百五十六平方メートル)大ホール、研修室、視聴覚室、図書室、資料室などを備えた社会教育関係唯一の施設であり、施設設備の充実と活用が、今後の社会教育活動の面で大いに期待されている。
三、社会教育重点目標
本村の社会教育活動は、新しい施設の完成によって、住民から大きな期待と希望が寄せられている。この現状を踏まえて、次のような努力目標を定め村民の期待にこたえ得る社会教育の振興を図っていきたい。
(一) 生がい教育の重要な機能を果たすための公民館施設・設備の充実と活用の促進
(1) 施設・設備と教育備品の計画的拡充強化
(2) 施設・設備の活用と運営の円滑化
(二) 社会教育推進のための指導者の発掘、養成と指導体制の充実強化
(1) 社会教育関係団体指導者の研修の充実強化
(2) 社会教育職員の増員と研修による資質の向上
(3) 民間有志指導者の発掘と養成
(三) 社会教育学級・講座の開設
(1) 家庭教育学級一(補助学級)、高齢者学級一(補助学級)、婦人学級一、部落婦人学級十(自主学級)、父親学級講座三(自主学級)
(2) 趣味講座(詩吟、民謡、俳句)
(四) 社会教育関係団体の健全な活動の助長、育成と指導
青年会、婦人会、母の会、民謡会詩吟会、俳句会、冠句会、盆栽会
(五) 社会体育の振興と組織の強化
(1) 体育指導員の適正配置
(2) 体育協会の組織の強化
(六) 公民館行事の拡充と運営刷新
(1)新成人の希望尊重による成人式の実施
(2) 各種行政機関、団体に発表と展示の機会を提供する文化祭実施
(3) スポーツの推進と村民総参加による運動会の実施
(4) 村民対象に、親睦と連帯意識の高揚を図る新年互礼会の実施
以上のような努力目標を掲げ、社会教育を推進している現状の中で、社会体育は新しい施設を中心に活発化してきた。社会教育団体のグループ活動(音楽サークル、ダンスサークル等)やスポーツ少年団剣道部が発足し、育成会もできて、毎週土曜日を練習日としてけいこに励んでいる。
四、むすび
社会教育をより充実させるためには、推進上の人的、物的に多くの問題を抱えているが、学校、社会、家庭がより緊密な連携の下に、明るい村づくりと情操豊かな人間形成を目指して努力していく方針である。