教育福島0012号(1976年(S51)07月)-022page

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(ウ) 補助事務員の定員化の要請

(エ) 進路指導施設設備の標準化の要請

(オ) 高校卒資格認定制度の問題

(カ) 校長会に進路指導委員会を設置されることについての要請

一方、全進協東北ブロックの状況であるが、ブロック単位での全進協加盟が実現する見通しである。昨年の十一月仙台市において、東北六県の代表者を集め、初めての東北ブロック世話人会が持たれ、次のようなことが話し合われた。

(1) 全進協には東北ブロック結成ができしだい、五十一年度から加盟する。

(2) 現在、宮城・福島・岩手・山形の四県はブロック加盟に同意、秋田・青森にあっては今後努力する。

(4)東北ブロックとしての活動は、情報交換・連携等必要最小限とする。

(地域的に考えて集まりにくいし、特殊性もある。)

(5) 会則は簡素なものとし、会費も一校百円くらいにする。

 

三、県進協の今後の目標と課題

 

昨年十月末、発足したばかりの県進協が、何をなすべきかを考える資料として、全県下加盟校九十九校に対してのアンケート調査を実施したが、その結果は別記のとおりである。さまざまな問題が提起されているが、一口にいって、ここ何年か続いた高度成長に伴うあり余る求人攻勢から、一転して買手市場に変わりかけたことに対する戸惑いといら立ちが感じられる。企業に対する不満なり要望なりが八三%と最も多いことは、これを如実に表わしている。県進協にとり組んでほしいものとして最も多かったことも企業に対するもので、県就職問題連絡協議会の申し合わせをより徹底すべきであるとの趣旨のものであった。その他解禁日の問題、進路指導費の問題、進路担当者の負担軽減の問題、合否決定迅速化の問題、進路指導の専門的研修の機会をつくる問題等が目立つ項目である。どれ一つをとってみても、現場で生徒の将来を担って直接進路指導にタッチされている先生方の切実な悩みと真剣さとが読みとれるものばかりである。

今年度の県進協の総会は、去る五月十五日、昨年と同じように教育センターの研修会の時間の一部を頂いて、約二時間にわたって真剣に討議された。県立高校九十一校の他、今年は特に私立高校から六校の参加をえられたのが意義あることであった。

今年度の活動方針として、活発な討論のうちに次のことがらが決められ、具体的なことについては、後の理事会に付託することとなった。

各地区の組織活動の結果として県の組織ができた。したがって県進協は、地区(県北・会津・相双・いわき・県南)及び各校の進路にかかわる活動の援助、共通問題の解決を主眼として、次の活動を行う。

(1)情報交換

(2)進路担当者の負担軽減について関係方面への働きかけ

(3)就職あっせん開始時期の検討

(4)大学入試制度の改善についての検討

(5)各関係機関との連携(県・校長会・職安等)

(6)ホーム・ルームにおける具体的進路指導のあり方についての研究.

(7)就職・進学にかかわる共通問題の検討と関係機関への働きかけ

なお、以上のほか、特に次の三点について全員一致により決議(または再確認一された。

(1)決められた就職にかかわる日時については、すべての学校で厳守しよう。

(2)各関係機関からの進路にかかわる幾多の統計調査報告の基準・形式等について、統一または一本化など簡素化を要望しよう。

(3)求人にかかわると考えられる業者等からの卒業生名簿、在校生名簿の要請は、いっさいお断りしよう。

当然のことを改めて再確認しなければならないことをいぶかる前に、むしろ組織の必要性が大きく感じられよう。

これからの県進協の課題はたくさんある。

1.本来の進路指導についての、いわゆるたてまえと本音のギャップをいかに克服していくか。

2.それぞれ歴史と実績がある進学指導と就職指導の統一ある調和点をいかに見い出していくか。

3.地理的、時間的制約の中で、いかにして共通問題を集約し、研究・実践していくか。

『キャリア、ガイダンス』誌昨年春の全国調査によると、進路指導の全国組織を必要としたもの七七%、就職と進学の二つに分けた方がよいとしたものが一九%であるのに対し、一本にした方よいとしたものが八○%、学校長の進路指導に対する理解度ありとしたもの四二%、一般の先生のそれが一七%、進路指導の校内研修会を実施している学校二〇%、進路指導の仕事を専門に行っている組織としての人数で最も多かったケースは二人で、ほとんどの学校では主事が一人でやっているのが実情である。専門の研修・セミナーを受講したことがないとしたもの七二%、主事の専任化不要としたもの一六%、主事の持時間で最も多かったのは十四〜十六時間で四七%等々である。

県進協としてなすべきことは山積している。各関係機関との協力連携なしには出来ないことであるが、いずれにしろ”生徒一人一人の将来”ということを忘れず、あるべき進路指導をいかにして教育のあらゆる分野にとり入れていくべきか、出来うることから一つ一つ、地道な研究と実践を積み重ねていくことがたいせつであると思われる。

 

 

 


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