教育福島0053号(1980年(S55)08月)-008page
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れぞれの事業の推進を図っている。
小中学校教育に直接かかわりが深い第一項の「県民の信頼と期待にこたえる学校教育の推進」では
(1) 教育の機会拡充
(2) 教育活動の質的充実
(3) 教職員の確保と指導力の向上
(4) 教育施設・設備の整備充実
を挙げている。これらは、いずれも当面の課題として重要なものではあるが日常の教育活動と関係が深いのは(2)、(3)であろう。
「教育活動の質的充実」を図るための具体的施策の第一は「教育課程の改善・充実」である。
すでに三年間継続して教育課程講習会を実施し、教育課程編成の手引を作成配布するなどして、改善の趣旨並びに教育課程編成のあり方について、その徹底を図ってきているが、各学校においては、最初に述べた今後の教育の方向を見定め、改訂の背景を念頭におき、改訂の趣旨をいかした望ましい教育課程の編成と実施に努め、教育活動の質的充実を図るよう努めることが望まれる。
このことに伴って考えなければならないのは「学習指導の改善・充実」であろう。
人間性豊かな児童生徒の育成を究極的な目標とし、基礎的、基本的な知識・技能を確実に身につけさせ、自ら考え正しく判断する力や自ら学びとる態度を身につけさせる等、各教科等の目標達成のため、学習指導の質的転換を図る必要があり、そのためにも、学習指導の中でこそ「ゆとり」が重視されなければならない。
第二に「生徒指導の充実」を挙げている。現在の社会状況の中で、児童生徒にかかわる様々な問題が生起しているが、生徒指導の本質について再確認し、児童生徒の側に立った指導を展開する必要がある。
このほか、児童生徒の体力や運動能力の向上、保健安全対策の充実等、学校が取り組まねばならない課題は多い。
最後に「教職員の指導力の向上」についてであるが、県民の期待と信頼にこたえる学校教育の推進は、究極的に教師の双肩にかかっている。その責務を果たすためには、教師の指導力の向上が重要な課題となってくる。
教職に携わる者は、その責務の重要性を自覚し、常に自らの資質向上に努めなければならない。そのために必要なことは、教職員としての絶えざる研修である。
県教育委員会としても、各種の研修会、講習会を開催し研修の機会を設定し、その内容充実に努めてはいるが、大切なことは、各学校各教師が研修を主体的に受けとめ、日常の教育活動の中から問題を見いだし、自らの課題としてその解決を図ろうとする姿勢であろう。今後の努力に期待したい。
二 学校経営
(一) 学校教育目標の設定と具現
1 学校教育目標の設定
各学校には、自校の教育目標及び教育方針が設定されている。これは、より広い学校経営あるいは学校生活全体の指標的な意味で設定されている場合が多い。
この学校教育の目標の達成を目指して編成される教育課程は、その学校における教育計画の中心的なものであるから、その中にこそ色濃く達成する道すじが明らかにされていなければならない。
公教育では法規によって教育の目的や目標が定められているので、これらの実現を目指して教育を行い、その調和的達成に努めなければならない。しかし、国で定めた目的や目標は、きわめて一般的、抽象的であるので、学校ではその実態に即した、強調点や留意点などを浮き彫りにした具体的な学校の教育目標を設定する必要が生じてくる。
学校教育目標の意義や性格から、学校教育目標の具備すべき条件として、第一に法令の示す目的・目標及び学習指導要領に示す各教科等の目標の達成を前提としたものであること。第二に地域や学校の実情及び、児童生徒の実態を考慮したものであること。第三に校長をはじめとして教師の考えが反映されたものであることが考えられる。
なお、学校の教育目標は実践化に結びつかなければ意味がないので、更に具体的・実践的なものに細分化を図り実現の見通しをたてることが大切である。
新教育課程の実施の時期に、各学校では、改めて自校の教育目標の見直しがなされたと思うが、今回の改訂のねらいである、人間性豊かな児童生徒の育成を図る上で、今後特に強調されなければならないものとして、次の事項について、十分考慮されたい。
1) 自ら考える力を養い、創造的な知性と技能を育てること。
2) 強じんな意志力を養い、自律的な精神を育てること。
3) 自然愛や人間愛を大切にする豊かな情操を培うこと。
4) 正しい勤労観を培うこと。
5) 社会連帯意識や奉仕の精神に基づく実践的社会性を培うこと。
6) 健康でたくましい身体の鍛練に努めること。
7) 家族・郷土・祖国を愛するとともに国際社会の中で信頼と尊敬を得る日本人を育成すること。
2 学校教育目標の具現
学校における各教科等の指導は学習指導要領に定められている各教科等の目標の達成を前提として進められる。
したがって、各校においては、学習指導要領に定められている各教科等の
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