教育福島0053号(1980年(S55)08月)-009page

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目標や内容を十分検討した上で、学校の教育目標を実際に指導する中でどう具現化するかを検討しなければならない。つまり、各教科等の目標の分析と学校教育目標との関連、指導内容の重点化、時間配当の適切性などについて検討し、指導計画に具体的に反映するようにすることが重要である。

 

3 学校教育目標の理解

教職員、児童生徒及び保護者に学校の教育目標の理解の徹底を図ること。

学校の教育目標が、日常の全教育活動を通じて達成されるためには、教職員の共通理解を徹底する方途を講じたり、学校の教育目標を児童生徒の目あてとなる、わかりやすい表現に直して徹底を図ったり、保護者に広報紙を通じて協力を呼びかけたり、諸会合などのいろいろな機会を利用して働きかけるなどの工夫が必要である。

 

(二) 学校経営の機能

 

1 学校経営の意義

学校経営は、経営組織体としての学校の維持と発展を図り、学校教育本来の目的を能率的・効果的に達成させるための諸過程の統括作用であると定義することができる。

そのためには、学年経営・学級経営及び教科経営が有機的な関連を保ち、学校全体として、縦の関係、横の関係のまとまりが保たれねばならない。

 

2 経営と管理

経営とは、主観的、理想的観点に立って教育活動に加えられる配慮であり、管理とは、客観的、法規的観点に立って教育の条件ないし状態を維持しようとする立場であって、学校という組織活動の中には、創造的機能と管理的機能とがおのずから含まれるものである。

学校経営は、学校の目標達成のための計画−実施−評価という経営サイクルを通して、絶えず組織の改善を図る活動ということができる。

その際、特に計画や決定の過程においては、創造的機能が重視され、これを組織の目的にそって、しかも制度的なものとして実現していく過程で管理作用が営まれるものである。

 

3 学校管理の領域

学校管理を学校経営の内在的機能としてみるとき、その領域と対象は次のようになる。

 

領域おもな内容
人的管理・教職員の人事管理
・児童生徒の管理
・保健衛生・安全管理
物的管理・施設・設備の管理
運営管理・教育課程の管理
・生徒指導の管理
・事務管理
・財務管理

 

4 学校教育の機能

学校経営の機能を計画の立案とその執行の二つに大きく分けて考えることができる。

計画立案は、一般に、比較的、長期的、総合的なものと、当面の個別問題の解決のものとに分けられる。

計画立案する際は、教育委員会としての学校教育の方針や、これに基づく施設計画・人事計画・財務計画、その他の計画などと密接な関連を保ちながら自校の具体的な学校経営計画を策定しなければならない。また、計画を決定する過程においてすべての教職員の意志を十分反映させて、計画立案の機能を高める必要がある。

組織をつくることについては、教職員を確保し、研修を行うほか、教育活動の効果を高める諸条件の整備を行い教職員を適切に配置し、仕事の内容、特に権限と責任を明確にした組織体制を確立することが大切である。

学校経営は、指導と管理を車の両輪とし、一方では指導しつつ、他方では管理統制を加えながら教職員一人一人の創意を生かして進められるべきものである。

学校の経営管理機能の類別

ア 計画機能 イ 組織機能

ウ 指示機能 エ 指導機能

オ 調整機能 力 報告機能

キ 財務機能

 

(三) 学校経営の組織

 

1 組織の必要性

教育の効果を高めるために、限られた教員定数のわく内で、社会や地域住民の要請にこたえる教育をするためには、責任を明確にした組織づくり、相互努力の態勢をつくり、全教師の力が教育目標に向かって最大限に発揮できるよう結集するところに意味がある。

2 組織の基本原則

学校経営を能率的、効果的にすすめるための、校内の組織編成を行う場合の基本原則として

1) 教育目標を指針として、これによってつらぬかれた組織であること。

教育目標を実現するために、中核となるものは、教育課程の編成とこれに基づく教育活動である。したがって、組織はこの指導を能率的・効果的に行うための諸条件を整えることに主眼がおかれなければならない。

2) 全員参加の原則をたてまえとすること。

学校経営は、全職員の自発的な協力によってこそ大きな効果が期待できる。校務を割り当てられたという印象をなくすようにし、教職員一人一人の能力が最大限に生かされるようにしなければならない。

3) 学校の実情に即したものであること。

4) 地域社会の全体計画の線にそっていること。

5) 簡単にして要をつくし、機能的であること。

 

 

 


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