教育福島0053号(1980年(S55)08月)-011page

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2) 学校、学年、学級として、問題解決の必要感にせまられた組織であること。

3) 学級集団の一員として、各自の役割が明確に意識された組織であること。

 

3 組織作りの留意点

【小学校】

1) 発達段階に応じて、組織や仕事の内容を漸次、質の高いものに育てていくこと。

2) 児童の発想を尊重するとともに、学級の実態に即した係を作ること。

3) 必要感と興味に立脚したものであり、仕事の内容が明確なものであること。

4) 児童の意見や問題が組織面に適切に反映するように考えること。

【中学校】

1) 動機づけを十分に行い、生徒が自主的に組織を作成するようにすること。

2) 生徒の能力、適性に応ずるよう、要を得た組織にし、いたずらに複雑化しないこと。

3) 全校的な視野に立って組織を考えること。

4) 係グループと生活グループの連携を考慮すること。

【特殊学級】

1) 具体的で身近な実践活動を伴うものにすること。

2) 活動内容が、ステップを追って単純に組分けでき、児童生徒自ら仕事の確認が容易にできるものにすること。

3) 毎日一定の作業量を有し、その活動が実施されなければ、学級の運営に支障があるという意識をもつよう工夫すること。

3) 一人当番と、係活動を考慮すること。

以上のような視点と、留意点について配慮し、その学級の実態にあった組織作りをすべきである。

しかし、問題はこのようにして作られた組織が、目的、計画に基づき一人一人の児童生徒が活動しているかという点である。

自主性、主体性、そして自治的な能力、態度の育成は、学級担任の経営手腕にかかっている。組織の活動が、円滑にいっていない場合には、速やかに治療、矯正などの指導の手を加え、教育相談や、グループカウンセリングを通して、望ましい人間関係をきづき、係活動を阻害する要因を除去してやらなければならない。

 

(三) 児童生徒の理解と指導

 

指導活動は、児童生徒の的確な理解が基礎である。その的確な理解を得るためには、児童生徒の客観的な調査、検査の資料の活用が必要である。

学級担任は、一人一人の児童生徒の身体、能力、適正、性格、興味、関心、要求、技能、更には、交友関係、環境条件、悩みなどを的確に把握してこそきめ細かい指導ができる。

 

1 個性把握と指導上の留意点

1) 個性の把握に当たっては、特に成長過程における環境的要因に着目すること。

2) 固定的、断定的にとらえることなく、未来の可能性を内包していることを忘れないようにすること。

3) 自分の特徴や長所を知りそれを伸ばそうとする意欲を持たせること。

 

2 集団内における人間関係の把握

1) 学級担任、教科担任、クラブ活動の担任などの各教師が、行動の観察の結果を持ちより、それらを通じて児童生徒の人間関係を分析する。

2) 友人の数や親しい友人の氏名等を質問紙や面接法によって把握する。

3) 集団内の人間関係を相互評価させ集団内部の構造を明らかにする。

 

3 家庭環境の調査

1) 児童生徒の親子関係、生育の過程等の家庭環境調査をする。

2) 家庭訪問や面接調査を行う。

3) 必要に応じて、標準化された各種の調査、検査を行う。

 

4 個人ごとの資料の収集

1) 生活行動観察指導記録カードに、観察、指導の様子をそのつど記録をして、その全人格の把握に、より近づこうと努力する熱意が必要である。

2) 学習状況観察カードは、教科担任が記録し、その教科に対する児童生徒の実態を把握し、学業指導に役だてるとともに、全人格の把握に役だてる資料とする。

 

5 児童生徒を指導するときの教師の基本的態度

1) ともに人間の生き方を考えていく真剣な態度で指導に当たる。

2) 児童生徒一人一人の人格を尊重して指導に当たる。

3) 共感的な態度と愛情を持って指導に当たる。特に、できる限り自分の力で問題を解決できるように援助してやることが大切である。

 

(四) 学級経営誌の記録と活用

 

学級経営誌は、学級の教育実践を、より目的的に、しかも、効果的に進めるために立てられた経営計画と、更にそれを着実に実践し、累加実践記録としての二つの役割を持っている。

したがって、学級担任としては、学級の指導の効果をあげるための作成、記録や活用が大事なことはいうまでもない。学級経営誌の内容、形式については学校の実態に即して、学校の創意を生かしたものでなければならない。

だが、その様式は学校統一したものであり、全職員の共通理解が得られやすく、そのうえ、客観性に富んだものでありたい。しかし、学級は生きて働

 

 

 


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