教育福島0053号(1980年(S55)08月)-012page

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くものであり、その望ましい変容を期待しての営みが経営であるから、その記録のし方については、それなりの工夫が必要である。

次に学級経営誌の活用のし方について述べる。

 

1 指導面での活用

1) 学習・生活の観察記録、累加記録や効果判定記録から、児童生徒の実態を把握し、個別、集団の特性に応じた指導ができるようにする。

2) 指導の結果の評価をより客観的に行うようにする。

3) 児童生徒の発達段階に応じて一貫した指導が継続できるようにする。

 

2 管理面での活用

1) 学校経営と一体化するための改善の資料として活用する。

2) 記録を通して、今後の指導や管理上の問題点を明らかにし、これらを解決するために活用する。

 

四 教育課程の編成・実施

 

(一) 教育課程編成の原則

 

教育課程は、学校教育の目的や目標を達成するために、教育の内容を地域や学校の実態及び生徒の実態等に応じて組織した学校の教育計画であるので教育課程の編成については、学習指導要領総則の中で、「学校において」編成することが明示されている。学校において編成するとは、校長が責任者となって編成するということであり、権限の所在を意味するものである。

校長は、学校全体の責任者として指導性を発揮し、学校として統一のある一貫性を持った教育課程を編成しなければならない。

各学校において教育課程を編成する場合は、次の原則に従って編成しなければならない。

 

1 法令及び学習指導要領の遵守

学習指導要領において、「学校においては、法令及びこの章以下に示すところに従い…」と示されている。この法令とは、憲法、教育基本法、学校教育法、同法施行規則等である。この章に示すところとは、小・中学校学習指導要領である。

学習指導要領は、法令上の根拠に基づいて国が定めた教育課程の基準であり、各学校における教育課程の編成及び実施に当たって基準として従わなければならないものである。

 

2 地域や学校の実態の考慮

学習指導要領の総則において、「学校においては……地域や学校の実態…を十分考慮して、適切な教育課程を編成するものとする」と示している。

これは、各学校において教育課程を編成する場合には、地域や学校の実態を的確に把握し、それを指導内容の選択や組織、あるいは授業時数の配当等に十分反映させる必要があることを強調しているものである。

学校のおかれている地域には、生活条件や環境の違いがあり、産業、経済文化等にそれぞれ特色を持っている。学校の実態としては、学校規模、生徒の実態、教職員構成の状況、施設・設備の状況等が異なっている。これらの実態を十分考慮して教育課程編成の上に生かす必要がある。

 

3 児童生徒の心身の発達段階と特性の考慮

学習指導要領においては、児童生徒の心身の発達段階と特性を十分考慮して編成することを明示している。学校が教育課程を編成する場合は、児童生徒の発達の過程を的確にとらえるとともに、個々の児童生徒の特性や問題点についても十分配慮して、適切な教育課程を編成することが必要である。

 

(二) 学校の創意工夫

 

学習指導要領において、「学校においては、学校の創意を生かし、全体として調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする」と述べ、「学校の創意を生かす」ことが強調されている。このことは、地域や学校の実態に即してその運用に創意工夫を加えることができるよう配慮するとともに、学校や教師の創意工夫を加えた指導が十分展開されることを期待しているものである。

 

1 学校の創意工夫の視点

学校の教育目標は、学校の教育活動全体を通じて達成すべき具体的、実際的目標である。学校が教育課程を編成するに当たっては、その基盤となる学校の教育目標を適切に設定するとともに、次の点について創意工夫を加えるよう配慮する必要がある。

1) 指導内容の組織化

教育内容の選択に当たっては、学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を十分研究し、特に学校として重点をおいて指導すべき内容を明らかにすることが大切である。

選択した指導内容の組織に当たっては、学校の教育目標の達成を目指し、学校が創意を生かし、全体として調和のとれたものにするよう努めなければならない。

今回の改訂では、指導上の留意事項や指導方法に関するものは大幅に削限し最小限必要なものにとどめている。

したがって、学校や教師は創意工夫を加えた学習指導が展開できるよう十分配慮する必要がある。また、各教科等の目標や内容が中核的なものにしぼられたので、実際の指導における教材の扱い、指導方法等において学校や教師の創意工夫の余地が大きくなったので、地域や学校の実態に即し、また個々の児童生徒の能力・適性等を考慮して創意工夫を加えた学習指導が展開できるようにしなければならない。

小学校低学年での合科的な指導、創

 

 

 


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