教育福島0053号(1980年(S55)08月)-017page

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指導がなされるとともに、教育機器等を有効に用いるなどの工夫が必要となる。

8) たしかめを適切にする。

具体的な目標の一つ一つに照らして児童生徒の学習や行動の状況を観察・測定・調査することによって、目標がどのように実現されており、どこが達成され、どこに問題点があったか、それらの度合いはどの程度あるか、その要因はどこにあるかを明らかにしなければならない。また、児童生徒に対しても学習のたしかめをする場と機会を設定する配慮も必要であろう。

その他、授業を充実させるためには多様な要件があるが、たゆまぬ研修に期待するところが大きい。

 

(四) 評価と指導の改善

 

1 評価の意義と機能

教育における評価とは児童生徒の学習や教育計画など、教育に関する事象の持っている価値を教育の目的や要求にてらしてみることである。

1) 管理機能としての評価

・教育目標にてらして、設定した価値の水準に児童生徒がどれだけせまることができたかを評定したり比較、順序づけなどをしたりするものである。

・評価記録の計画的累積、通信せんの作成、指導要録への記入も含まれる。

2) 指導機能としての評価

最も大切な機能であり、指導の診断と、指導計画や指導法の改善という二つの面から考えることができる。

まず、

・ひずみのない効果的な指導をするために、

・興味や関心・欲求、レディネスとしての知識・態度・技能等を確実にとらえ、

・学習の進歩や遅帯の実態を明らかにし、

・その要因となるものをとらえて追指導することである。

一方、

・指導計画をたてたり、計画を修正補充したり、

・効率的な指導過程や指導法を組織することになる。

3) 学習の機能としての評価

個人の学習の過程で、テストやその他の結果によって自分の学習をふり返り、つまずきや成功の要因がどこにあるかを明らかにし、その後の学習に役だてることができる。

 

2 評価の方法

1) 評定の対象

評価をたしかなものにするためには評価される対象の本質を十分にみきわめることが大切である。

2) 評価の場と機会

教育効果が具体的に表現されているのはどこかをみきわめ、評価の場と機会を工夫することが大切である。

 

3 評価の活用

評価はその機能としての管理、指導、学習の三つの立場から処理され解釈されなければならない。したがって、処理の結果は分析、統合の両面から妥当性、客観性を持つようにしなければならない。そして、

・学習指導法の改善に生かす

・指導計画の検討改善に生かす

・個別指導に生かしていく

ことが必要となろう。

 

4 教育統計

1) 教育統計とは

児童生徒の学習行動その他教育の問題について、要素の分布を調べて、その集団の傾向や性質など数量的に明らかにすることが教育統計である。

2) 教育統計の利点

教育統計の利点としては、次のことがあげられる。

・読む人が同じように理解できる。

・科学的な思考を進めるのに役だつ。

・資料を秩序づけることによって意味を持ち解釈ができる。

・一部の標本から、統計的処理によって全体集団を推測することができる。

・いろいろな事象、あるいは広い範囲のできごとから原因となる要素を導き出すことができる。

・測定などの結果の整理や調査、実験の計画までも科学的にすすめることができる。

3) 教育統計の方法

教育統計には目的によっていろいろあるが平均、標準偏差、変異係数、学力偏差値等の基本的な統計的処理のし方を身につけることも必要となろう。

 

六 道徳教育

 

(一) 道徳教育の意義と役割

 

道徳教育の意義と役割については、小・中学校学習指導要領の総則の2に示されているが、この内容を要約すると次のようになる。

1) 学校における道徳教育は、学校の教育活動全体を通して指導を進めない限り、達成が期待できないこと。

2) 各教科の指導、特別活動やその他学校生活のあらゆる機会と場において指導するものであること。

3) 学校における人間関係をよりよいものにするとともに家庭や地域社会との連携を図りながら進めること。

4) 日常生活の基本的行動様式をはじめとする道徳的実践の指導を徹底するものであること。

更に、道徳教育の究極の目標は、「…国際社会に貢献できる日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うこと」であり、道徳の時間の目標は、「…各教科及び特別活動における道徳教育と密接な関連を保ちながら、計画的、発展的な指導を通してこれを補充、深化、統

 

 

 


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