教育福島0053号(1980年(S55)08月)-018page
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合し…道徳的実践力を育成するもの」と第三章で示している。各学校においては、道徳教育及び道徳の時間の目標を十分理解して、道徳教育を推進しなければならない。
(二) 道徳的実践の指導
学習指導要領総則の2において「…日常の基本的行動様式をはじめとする道徳的実践の指導を徹底するよう配慮しなければならない。」と示して、「道徳的実践」の徹底が強調されている。
道徳的実践の指導を徹底するには、道徳的価値の実現を目指して、児童生徒に「よりよい生き方」を具体的な日常生活の場面を通して、意図的計画的に、自覚させ身につけさせるよう指導することである。
各学校では、学校の教育目標との関連において、道徳的実践の指導内容や指導方法を確立し、実践目標を設定して指導することが必要である。具体的には、学校で取り上げる道徳的実践の項目を「生活目標」として設定し、各学年の指導の重点を定め、年間にわたり適切に配当して指導することが必要である。その場合は配慮事項は次のようになる。
・生活目標は、具体的で実践可能なものとすること。
・生活目標は、精選して数少なくすること。
・十分身につくまで指導すること。
・全職員の共通理解を図り、同一歩調で指導すること。
・各教科、道徳、特別活動、その他の教育活動との関連を図ること。
・家庭や地域との連携を図ること。
(三) 道徳の時間の指導
道徳の時間のねらいは、道徳的判断力、道徳的心情、道徳的態度・実践意欲を培うことによって、道徳的実践力の育成を図ることであり、換言すれば道徳的諸価値を自己の自覚として主体的に把握し、将来出会うであろう様々な場面、状況においても価値を実現するための最も適切な行為を選択し、実践することが可能となる内面的資質を育成することである。
道徳の時間の指導を充実し、その目標を達成するためには、次のことに配慮する必要がある。
1) 道徳の時間を充実させる前提要因である、全体計画、年間指導計画の充実を図る。
2) 内容(小28項目、中16項目)はいずれの学年においても指導するものであるが、各学年の指導の重点にかかわるものは、数を多くしたり、配当時数を多くする。
3) 単位時間の指導で主としてねらうものが、道徳性の三様相のどれなのかを明確にして指導する。
4) 指導方法の固定化、形式化をさけるため、次の諸点に留意する。
ア 年間指導計画の中に指導のねらいに即して「指導方法」を取り上げておく。
イ 指導過程のそれぞれの段階で最も効果的な指導法及び学習形態を工夫する。
ウ 指導の諸方法についての特徴や留意点を熟知するとともに、指導法に習熟しておく。
エ たえず指導方法の改善と開発に努める。
5) 導入の段階で時間を取り過ぎて、展開や終末の段階が圧迫されないようにする。
6) 資料の分析、再構成に努めるとともに、資料の提示の工夫をする。
7) 話し合いが重要な役割を果たすことが多いので、話し合いを活発にするための基盤となる学級内の人間関係をよりよいものにする。
8) 児童生徒が十分に考えたり、感じたりすることができるように、基本発問を精選する。
9) 当初の計画にのみ固執することなく、児童生徒の反応をみて、弾力的に他の指導法を取り入れる。
10) 教師の一方的なおしつけにならないようにする。道徳的判断力を高める指導においては、葛藤場面に立たせることによって、主体的に価値に迫らせるとか、心情を高める指導では、多面的に広い角度から切りこみ感情をゆさぶるようにする等の配慮をする。
11) 児童生徒の知識や生活経験の実態を的確に把握し、実態に即した指導を進める。
12) 学級指導等の教育活動との関連を十分配慮しながら指導する。
(四) 道徳の時間の評価
道徳の時間における評価は期待される道徳性が児童生徒にどの程度身についたかを問題としなければならない。
1) 道徳的判断力の評価観点
・どれだけ善悪についての知的な理解ができるようになったか。
・どれだけ正しい道徳的判断が自主的にできるようになったか。
2) 道徳的心情の評価観点
・道徳的に善である望ましい考え方や生き方に対し喜びや楽しさを感ずる感情が、どれだけ育ったか。
・望ましくない考え方や生き方に対し、けんおや怒りを覚えるような感情がどれだけ育ったか。
3) 道徳的態度、実践意欲の評価観点
・善を行い悪を避けようとする意志の表れや、行動への構えが、どれだけ定着したか。
児童生徒の道徳性が、どれだけ育ったかを確かめる方法の一般的なものを次にあげる。
1) 道徳的判断力の評価方法
・観察による方法 ・質問紙による方法 ・作文による方法
2) 道徳的心情の評価方法
・観察による方法 ・作文による
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