教育福島0053号(1980年(S55)08月)-025page

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ウ 学校の教育活動を有効に働かす能力

エ 教育公務員としての職務執行に必要な能力

これらの能力は、有機的に関連しあい、複合しあって教育活動の実践に働き発揮されていくものである。

教職員としての職責は、日々の授業を充実していくことであり、このことを通して、前記の能力、特に「ア・イ・ウ」の向上、練摩が期待できるのである。

 

(四) 校内研修

 

1) 校内研修のねらい

ア 校内の全教師が協力的、効率的に研修をすすめ、教師としての資質の向上を図る。

イ 組織的・計画的に学校経営の中に位置づけられ、学校全体の教育の質の向上を図る。

ウ 教師の研修意識と意欲に支えられた研修をとおして、教師の、モラールを高め人間関係の充実をめざす。

2) 校内研修の内容

ア 学習指導に関するもの

イ 学校・学年・学級経営に関するもの

ウ 専門的な技能の習得に関するもの

エ 教育観の確立に関するもの

オ 生徒指導に関するもの

3) 研修組織づくりの留意点

ア 係分担にむだや重複がなく、能率的に研修が進められるよう学校の実態に応じて組織作りをする。

イ 役割分担の内容を明確にするとともに作業量の均衡化を図る。

ウ 一人一人の特性を生かし、全員が参画できる組織にする。

エ 研修の主体を明らかにした組織にすると同時に、研修組織と指導組織の関連を図り、研修の成果が指導面に生かされるようにする。

4) 研修時間の取り方

ア 教育課程編成のさい研修にあてる時数を年間を見通し適切に確保する

イ 月行事、週行事として定例的な研修時間を設ける。

ウ 時間割編成のうえで共通する空き時間を設けて教科部会等を持ったり教科担任・専科・交換などの方式の採用により教材研究のゆとりを生み出すなどの工夫をする。

5) 研修意欲を高めるための留意点

校内研修をすすめるに当たっては一人一人が研修について意欲的であることが前提であり、校内研修の基調は意欲づくりである。

ア 研修計画を見通しのある確かなものとする。

イ 研究テーマの設定に当たっては、児童生徒の現実的問題や教師個人のテーマとの関連を考える。

ウ 研修の結果が活用でき、児童生徒に反映されるように研修内容を検討する。

エ 全職員の希望や特長が生かせるような体制をつくり、研修計画等について一人一人が納得し、熟知できるようにする。

オ 研修過程を大切にし、共同意職が養われるように配慮する。

力 全職員で研修計画や運営について反省し、評価する。

キ 研修のための雰囲気づくりに心がける。

6) 計画立案上の留意点

ア 学校経営計画に研修計画を組み入れる。

イ 全職員の積極的な参加による共通の課題をとらえ、実践に直結する計画を樹立する。

ウ 共同研修の成果を個人が生かす配慮や、対外的な研修の成果を校内研修の場へもちかえる工夫も計画作成の段階で考えておく。

7) 実践上の留意点

ア 各学期ごと、もしくは各回ごとに到達目標を定め、これに対し、実践していく過程でなにが解決され、なにが問題として残ったかを確め、着実に実践する。

イ 研修が理論にかたよりすぎたときは、具体的な現実の問題にもどし、現実の問題だけでいきづまったときは、原点にもどして検討したり、理論を導入することにより解決の手がかりを得るようにする。

校内研修のねらいは、授業の改善、充実を図るための授業研究にあるともいえる。

 

(五) 授業研究

 

(五) 授業研究

 

1) 一般的な目標

ア 授業の質を改善し、授業の充実を図る。

イ 教師が主体的に教育実践に取り組む意欲を高める。

学校では、これらの一般的な目標をふまえて具体的目標を定め、その中からいくつかの問題点を選び、更に具体化してすすめることになろう。

2) 事前研究

授業研究は事前研究からはじまる。その内容は、およそ次のようなものが考えられる。

ア、教材研究

 

 

 


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