教育福島0053号(1980年(S55)08月)-026page

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イ 児童生徒のレデネス把握

ウ 授業研究の主題の設定

エ 授業仮説の設定

オ 授業案の作成

作成に当たっては、次の点に留意する。

・研究のねらいを明確にする。

・授業観察の視点を明確にする。

・作業仮説を具体的に位置づける。

力 授業観察や記録のし方

3) 実証授業

授業研究における授業は、仮説の検証として行うものであるから次の点に特に留意する。

ア 授業案にできるだけ忠実に実施する。

イ 授業記録は、詳細かつ正確にとり授業後できるだけ早い機会にまとめる。

授業記録から、研究主題や仮説と関係のある部分について分析的に検討し事実に基づき解決することになるが、一般化を図るに当っては、単に一回の授業のみで結論づけることは早計であり、いくつかの実証授業を通し結論を導き出す根拠となる資料を整え、共通的な成果をもって一般化を図るための法則性を見い出すことが大切である。

授業研究のまとめに当たっては、

ア 授業研究を通して明確にすることができた結論

イ その結論を基礎にして今後究明すべき問題点

を明らかにしておく必要がある。

 

(六) 当面する研修課題

 

小学校における新教育課程の完全実施、そして中学校の移行最終年度をむかえ、学校教育に要請されている内容を分析し学校の現状を照応する時、学校教育推進上、次のような課題があげられる。

1) 審議会答申の趣旨に基づき、自校の課題を明確にし、教育目標の見直しとその具現化を図る学校経営、学年、学級経営のあり方を究明する。

2) 新学習指導要領の目標、内容に対する理解を深め、教材の精選・重点化を進めるとともに、質的に深まりのある充実した授業を創造する。

3) 合科的、総合的な指導、体験的な活動の望ましいあり方や内容、指導法について検討する。

4) 授業における個別指導、評価を指導計画に位置づけ、一人一人が生かし育てられる指導を工夫する。

5)新学習指導要録の改訂の趣旨を正しくとらえ、記入内容等についての共通理解を図る。

6) 校内における現職教育の内容、方法を改善し、校内研究に対する期待感やモラールを高揚する。

7) 幼稚園、小・中学校、高等学校相互の授業参観や合同協議会を実施するなどして、教育研究の交流や連携を図る。

 

おわりに

 

おわりに

今後の課題

 

以上、学校教育を推進するうえで、重要と思われる事項について述べた。

これらの事項が、各学校において実践され、教育の質的向上が図られることを望みたい。

また、各事項を、各学校・各教師が自らの教育活動が適切に行われているかを確かめる手がかりとして、あるいは、自らの課題設定の手がかりとしても活用されることを期待したい。

さて、これまで述べてきたことがらから、今後の課題として

人間性豊かな児童生徒の育成をめざす教育活動の中で、

・ゆとりある充実した学校生活の実現

・知・徳・体の調和のとれた教育の推進

・自ら考え、正しく判断し、実践する子供の育成

・社会連帯意識の高揚、国際理解の深化

などを図るために、どのような具体策が必要か、ということを挙げることができる。

更に、これらの課題を解決するためには、教師自身が次のような事項について努力する必要がある。

1 教師自身が、豊かな人間性を身につけるよう努力する。

2 教師が、教育愛と使命感をもとに真の人間教育を主体的に進める。

3 教師各人が、地域社会の状況、地域の子供の状況を十分理解し、地域の課題解決に努める。

4 教師自身が、常に研修に励み、新しい教育を推進するために資質・能力の向上に努める。

これらのことがらは、考え方によっては、教育における永遠の課題であるともいえようが、現に教育の対象となっている児童生徒の、より望ましい伸長、発達を願い、地道に、しかも、積極的に取り組んでいくことが重要である。

 

 

 


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