教育福島0053号(1980年(S55)08月)-039page
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神社の例祭に奉納できるまでになった。青年会と子ども会の合同練習風景を撮影にくる県内外の写真家もメッキリ多くなったこのごろでもある。
お互いの呼吸がピッタリ合わないとケガをしかねない棒術だけに協調心の培養には最良、おかげで会員のチームワークのよさは抜群、青年会と子ども会のイキもぴったり、春秋の祭りにくり出す樽みこしの製作は青年会で担当子供たちが担ぎ役、いわき地方独特の正月行事である「鳥小屋」も青年会員が子供たちのために造りあげる。花火大会、相撲大会、サイクリング等は、すべて青年会が子ども会のためにお膳立てをし、安全教育にも意をもちい、事故対策に万全を期している。二、三年前から子供たちに郷土芸能の横笛も教え始めている。
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棒術で協調心の培養
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手造りの樽みこしで
盆踊り大会や市民体育祭などは、青年会が中心となり、全地区民が参加する滝尻地区の年中行事にまで発展定着した。道路側構の清掃や施設訪間などの奉仕活動も、青年会と子ども会の共同実施というのが他に類例を見ない点といえよう。こうした兄姉・弟妹のような立場にある両会の一体化した地域活動に地区住民も刺激され、失われつつあった連帯感も呼び戻されてコミュニテイづくりの力強い活動の輸が大きく拡がりつつある。
三 地域活動の課題と今後の進め方
意欲的にしかもかなりの実績を挙げている滝尻青年会にも、都市化の波に侵される自然の破壊、住宅地のまち組と土着のむら組との意識格差、社会環境の悪化をはじめ、内的な役員とその周辺の熱心なものだけの活動、団体活動(特に少年団体)に対する親の理解の不十分など悩みが多い。
総理府が昨年実施した「青少年の社会参加に関する研究調査」結果が示唆したものの一部に、1)グループ加入者の増加の必要2)年少期の参加体験の重要性3)地域への愛着性などが青少年の社会参加を育てるカギだとされたがまさにその通りである。
青少年の地域活動の手始めは、まず青少年団体に所属してその活動の役割分担を遂行することにあるわけであるから、青少年自身の自覚はもとより、団体に対する親の理解を深め参加を推進すべきである。
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横笛も上手になって
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清掃も一緒に
また、住宅地と農村地域というように条件が全く違っていれば、意識も違うので地域活動に対する住民の合意を固めるうえで十分な話し合いを積み重ねていくべきである。
ともあれ、二十一世紀に活躍しあすの郷土づくりを担う青少年が、地域活動を通してたくましく豊かな人間形成を遂げてゆくことを考えれば、家庭も学校も行政機関も、提携し、補完しつつ、地域総ぐるみで青少年の地域活動を、それぞれの立場から積極的に指導援助していくべきであろう。
(青少年課主幹・白石龍夫)
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