教育福島0053号(1980年(S55)08月)-041page
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によるスロー五回。ペアを組んで行う。
10)とび箱昇降=跳越
能力の高い者は五段、低い者は三段で行う。
(8)10)はサーキット方式で十回以上試みる。男女の差なし。)
11)整理運動(各部にわかれる。)
12)その他(トレーニングの場所)
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以上の実施内容は、昭和四十八年度のものですが、四十九年度以降から現在にいたるまではぼ同様の内容で実施しております。
参加人員は、部活動の一、二年生全員を対象にしました。その人員は次のとおりです。
年度 人員 46 253 47 221 48 236 49 257 50 252 51 296 52 257 53 316 54 401
部活動の生徒に関係なく、途中希望する生徒も参加させ、その生徒も毎年一名〜三名ありました。特に五十四年度は合唱部も三十五名ほど参加し、冬期トレーニングが軌道に乗ったと思いました。そして冬期トレーニングは中学生にとって、重要な役割りを果たすことを、先生がたが認識してくれたことは、私にとって大きな喜びです。
おわりに
冬期トレーニングは生徒にとって、運動機能の向上にどんな還元力があるのでしょうか。それを証明するデーターはありません。また私にしてもこれといったデーターを持っていません。しかし、これだけはいえると思います。それは生徒の発達段階である成長期の基礎的な体力の育成と、運動に対する関心の向上と、運動参加への積極的な関欲を持つと同時に自信のある行動で、来シーズンに向かっていったことは事実のようです。顧問の先生がたも、冬期トレーニングに参加した生徒は、体力も増して参加態度が意欲的で積極的になり、その効果を評価してくれました。
冬期トレーニングをはじめてから、私なりにトレーニングの方法や学術的な自己研修をはじめましたが、わかったようで、なかなか理解しにくく生徒への還元の方法のむずかしさをつくづく味わいました。
体育の授業と冬期トレーニングの差異について、私はこう考えています。体育の授業は、一般生徒全員を対象とし、年間計画のもとに作成されたものであり、また内容的には集団行動の教育の場でもありますし、体育では一人一人についての自己診断に基づいたトレーニングはできないものです。私の目標としている冬期トレーニングは集団から個人となっております。冬期トレーニングは各個人が自己診断のもとに、劣っているところの筋力をトレーニングするものであるので、生徒からの質問、又は指導者の指導によって、各自がトレーニングを行うことができます。
体力を増強させる一つの要因として、次のように考えています。
・運動を起こす力→筋力→瞬発力(筋と神石)
・運動を持続する力→持久性(筋と呼吸、循環器)
・運動を調整する能力→調整力
平衡性(神経)
敏しょう性(神経)
巧ち性(神経)
柔軟性(関節)
以上のことをどんな形で、生徒に還元させるかが、問題の一つです。そのために、種目を検討し、分析して送元させるように心掛けることだと思います。トレーニングを行う時は断片的なものでなく、計画されたものが必要だと思います。そのために週三日、一日おきのトレーニングが望ましいといわれます。
運動能力を向上させる考え方としましては、
運動技能=運動技術×行動体力
として、とらえておく必要があるようです。また、技術×体力×態度の考え方で指導が行われると運動能力は向上して行くと思います。そのことから体力づくり、運動技術づくり、態度の育成が重要な課題になり、トレーニングもこの考え方から出発した方がよいように思います。運動能力を高めるための基礎として、筋力の養成が必要になります。筋カトレーニングは一般には負荷運動がもちいられています。それは全力でなし得る力の三分の二くらいの力で繰り返すことが最もよいとされています。繰り返す量も約十回を一セットとして二〜三回セットするのが効果があるとされています。この三分の二の力が二分の一から、それ以下になると効果はうすいとされています。私は果たしてこの方法が中学生に適応したものであろうかと疑間を持っています。それは体育学者は、大学の選手や大学生、一般の人を対象として研究していると思うからです。
成長過程の中学生、特に一年、二年生の成長の未熟な生徒にとって、それ等の筋カトレーニングは適応するだろうかと生徒にさせながら考えました。そのため私は控えめにトレーニングするようになりました。しかし、現在の中学生にとって、必要な運動の一つに瞬発力があります。この力をつけるにはどうしても筋力が絶体条件になります。すると前に述べたことと矛盾するようになりますけれども瞬発力は必要です。ここのところで私は消化不良になっています。
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