教育福島0057号(1980年(S55)12月)-034page

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知っておきたい教育法令

主任と校務分掌

 

一 主任等の制度化

昭和五十年十二月二十六日、主任等の省令化を内容とする「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」(以下「改正省令」という。)が公布され、昭和五十一年三月一日から施行された。この改正省令の趣旨は、学校における教育指導面を強化することにより調和のとれた学校運営が行われるためにふさわしい校務分掌の仕組みを整えようとするものであり、そのため各学校に設置されている各種の主任等のうち、学校における教職員組織の基本的なもので、かつ、全国的にほぼ共通に設置されている教務主任、学年主任、生徒指導主事等の設置を規定し、それぞれの職務に係る事項について明確にするということにある。

 

二 校務分掌と主任の役割

学校運営においては、校内に秩序ある活動体制をつくる管理面と、教員の教育活動を適切に指導し、児童、生徒の学習活動を活発にする教育指導面との二つの柱がある。この二つの柱を均衡のとれるよう調和させることにより、教育活動が明るく、伸び伸びと行われ、その充実が図られることが期待される。そのためには、全教職員が校務を分担する組織(校務分掌)を有機的に編成するとともに、その組織が有効に機能するよう整備することが大切である。その意味で、改正省令が主任等の職務を明確にしたことは重要な意義を有しているということができる。

ところで、主任等は教育指導面を担当し、それぞれの部門におけるリーダーとして活躍している。これを具体的にみると、学校は、実態に応じて、一定の教育目標達成のため、効果的な教育活動を目指し努力しており、各種の主任等はすべての教員の協力のもとに教育計画や指導の改善に意欲的に取り組み、必要があれば、校長や教頭の意見を関係職員に伝えたり、また、校長や教頭に意見を述べ、あるいは、職務を円滑に実施するため、連絡調整、指導・助言に当たるなど、学校の教育活動のうえで重要な役割を担っている。

以上のことから、連絡調整、指導・助言という職務を有する主任の役割が充実することにより学校運営組織としての校務分掌もより効果的に機能し、ひいては教育目標の達成にもつながるということができる。

 

三 本県における主任等の設置

改正省令は、昭和五十一年三月一日施行されたが、本県の場合は、各市町村の公立学校管理規則及び福島県立学校管理運営に関する規則がこの時点において、現行規定のまま自動的に同日をもって施行され、教育長通知(昭和五一、八、二七、五一教義第一〇九号、並びに同日付五一教高第一四七号)をもって、市町村公立小・中・養護学校及び県立学校に設置する主任等について明確にされた。主任等の選任及び発令等については次のとおりである。校長は主任としての適格者をその責任において選任し、必要に応じて二つの主任等を兼務させることができること。選任に当たっては主任等を固定化せずに、主任としての適格者が、できるだけ多くその経験を積むことが望ましいが、このことは単に主任等を持ち回りすることを意味するものではないこと。さらに、発令に当たっては、校長は発令を通達簿に記載し、毎年度四月一日付で行う。ただし、主任等が欠けた場合の補充は、そのつど行うこと。校長が発令したときは、市町村教育委員会に報告すること。(県立学校にあっては、管理運営に関する規則第五十条に定める職員名簿に記載して、教育委員会に報告する。)発令については、履歴書に記載する必要はない。事務主任の任命については、各市町村の公立学校管理規則により主任主査が設置されているので、あらためて任命することは行わないこと。県立学校における事務長及び舎監長の任命についても従来通りとすることなどである。

なお詳細については、市町村公立小・中・養護学校管理規則準則、福島県立学校の管理運営に関する規則、教職員の服務及び勤務(第三次改訂版、312〜317ページ)参照のこと。

 

 

 


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