教育福島0057号(1980年(S55)12月)-043page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

飯舘村立飯樋中学校

 

愛校清掃

 

楽しい写生会

 

楽しい写生会

 

三年

 

三年

愛沢めぐみ

 

「なんて古びているんだろう」

そんなイメージを受ける飯樋中学校は、阿武隈山地のほぼ中央に位置する飯舘村にあります。木造二階建ての校舎にちっともなじまないサッシの窓。増築によってそれぞれ変わる壁の色。時には校庭に牛が散歩にくることもあります。全校生徒が百七十一人といえば、どんな山奥の村の小さな学校か、想像がつくでしょう。

しかし、校舎は古くとも中味は温かいのです。数少ない生徒と先生がたとの親密感。校門から校舎までのサルビア、マリーゴールドの花道に象徴されるような一人一人の優しい心は、飯中ならではのものです。そして、なんといってもすばらしいのは自然です。おいしい水と空気、どこまでも澄みきった青い空に見守られ、絶えず緑は光り輝いています。小鳥はここ狭しとさえずり続け、夕方のカエルの声はまさに混声四部合唱さながらのものです。遠距離の生徒はバス通ですが、中には往復十数キロの道のりを、毎朝毎夕自転車で通っているガンバリ屋もいるのです。

また、今年は部活動が例年にない活躍ぶりで、相双大会、東北大会で優秀な成績を残しました。陸上競技、体操、各種球技、合唱祭など、力およばずとも根っからのガンバリ精神で、笑顔の絶えないものにしています。

今年は冷害で、飯舘村は大変なダメージを受けました。しかし、だからこそ明るい雰囲気にしようと、校内球技大会、音楽祭、弁論大会、写生大会などの秋の行事に、新しく文化祭が計画されています。生徒会は後期も三年生を中心に、残り少ない中学生活を充実したものにしようと努力しています。

古びた校舎。けれど私たちはそんな学校に限りない愛着を持ち、完全無言清掃でみがきをかけています。いつも同じ顔をし、時として荒れ狂う自然にガンとして立ち向かってきた校舎。先輩も、そして、そのまた先輩も別れを惜しんできたこの学校に、私たちは今誇りを抱いています。私たちは、この飯樋中学校が大好きなのです。

 

ぼくの学校わたしの学校

 

ぼくの学校わたしの学校

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。