教育福島0067号(1981年(S56)12月)-006page

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ちょっと我慢を

奥山健一

 

奥山健一

 

筆者紹介

昭和七年生。県立医科大学事務局長。県教育委員会の勤務経験も豊富で、高等学校教育課課長補佐、文化課長、財務課長を歴任した。

文武両道を地で行ったような人物というのが、もっぱらの風評である。「高校時代は陸上競技部の選手として活躍。歌を愛し、当時野球部の選手だった私たちにとって、彼は辞書的存在であった」(福島民報社羽田孝夫販売局長談)という。

医大新築移転の時期でもあり、目下、関係者との連絡調整など大忙しの毎日であると聞く。氏の手腕にかけられた期待は大きい。国見町出身。

 

先ごろ発表された経済企画庁の調査では、国民の約八十パーセントが中流意識を持っているという結果が出されている。

確かに経済の高度成長を背景に、生活水準は昔とは比較にならないほど向上したし、生活様式についてみても、どんな職業の人も、また都会で生活しても農村に住んでいても、基本的にはあまり差のない今日であると思う。

これについてはテレビを初めとして、新聞雑誌等のマスメディアがめざましく普及したことで、国内のすみずみまですばやく情報が伝達されるため、他との比較が容易になったことが大きく影響しているものと思われる。その結果が国民の意識の上では中流意識となって表れているのではないだろうか。そのような状態が良いのか悪いのかは別として、この「中流意識」から受ける印象としては大きな変革を望まず、自己の現在置かれている(と考えている)地位に安住し、その中で常に他との関係を意識し、外からの刺激や干渉を敏感に感じとり現状を守ろうとする作用が働くのではないかと思う。

今の小・中学校での成績評価は、優良可で表された私たちのころと違い、相対的な評価で行われている。これによると上位と下位のグループに属す割合は少なく、大部分の子供たちはその間に位置づけられることになる。素人の私などにはクラス内での子供の位置づけはわかっても、各教科についてどの程度習得してい

 

 

 


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