教育福島0067号(1981年(S56)12月)-015page

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県立文化施設の整備

 

一 県立美術館

 

県立文化三施設の整備事業は三年目に入り、文化施設整備室長以下十八名(営繕課併任四名・臨時職員二名を含む)のスタッフで取り組んでいる。

前年度から準備を進めていた斎藤清展は、県立美術館の最初の事業として、四月二十五日から五月十日まで実施した。

本県の生んだ国際的な版画家・斎藤清氏(会津坂下町出身)から、主要作品二百八十四点の寄贈を受けたのを記念するもので、版画、コラグラフ、ドライポイント、墨彩、素描など二百十二点の展覧会を、県文化センターで開催した。

「会津の冬」「只見川」など、郷土をテーマにしたものをはじめ、サンパウロ・ビエンナーレ展受賞作「凝視・花」など、多くの国際展受賞・招待作品、最新作の「霊峰シリーズ」を含む作家生活の全期にわたる初の公開であったため、連日盛況を呈し、約九千人の観覧者を魅了した。

なお、同時に発刊した「斎藤清展図録」(二千部・一九五頁)も好評を博した。

建築基本設計は三月二十五日に納品され、引き続き七月二十九日に建築実施設計を大高建築事務所に委託し、年度末完成の予定で進められている。これに伴うボーリング調査は、北日本ボーリングに委託し、五〜七月に十一地点について実施し、基礎工事関係データーを整えた。

周辺整備事業は福島市が担当し、正面アクセス道路と新幹線側道と連結する東側進入路の設計を進めている。いずれも車道、歩道、並木等からなる文化ゾーンにふさわしい雰囲気を出す計画で、正面二十五桝・東側十八メートルの路幅を予定している。敷地内は都市公園的整備をはかるため、日本緑化センターに委託して年度内に設計が完成するはこびになっている。

作品の収集は、前年に引き続き三木多聞専門委員をはじめ嘉門安雄・大島清次・桑原住雄・細野正信・黒江光彦・佐藤光の七氏で構成する収集評価委員会の審議によって進められている。

今年度の収集作品は、現在までのところ次のとおりである。

○洋画 自画像 岸田劉生 購入

○洋画 鐸木西美肖像 高橋由一 寄贈

○洋画 裏磐梯 斎藤与里 移管

○洋画 そよ風 アンドリュー・ワイエス      購入

○洋画 ガニング・ロック アンドリュー・ワイエス 購入

○洋画 ドイツ人の住む所 アンドリュー・ワイエス 購入

 

 

 

 

 


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