教育福島0067号(1981年(S56)12月)-020page

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「民俗芸能の保存の現状と問題点」

東京国立文化財研究所芸能部長 三隅 治雄

○分科会事例発表者

「文化財調査の目的と方法」

船引町教育委員会文化振興係長 大河内 透

「市町村における発掘調査の実態」

飯舘村教育委員会社会教育主事 多田  宏

○現地研修 安積高校・デコ屋敷など

 

五 古文書調査

 

昭和五十五年度から三か年継続で、古文書緊急調査「陸奥代官領村方文書調査」を県文化センターに委託し実施している。

昭和五十五年度は田島代官所支配下の只見町長谷部大作文書(八十里越口留番所文書)をはじめ南郷村馬場新家文書、塙代官所支配下の塙町鈴木正立家文書、鮫川村水野ユキ家文書、小名浜代官所支配下の松本清一家文書、楢葉町町史編纂室寄託収集文書等を調香し、このうち長谷部家文書については史料整理も完了した。

本年度は前年度の継続として、田島代官所支配下の檜枝岐村口留番所文書を最重点に調査整理するとともに、桑折代官所支配下の桑折町松原寺文書、塙代官所支配下の鮫川村中川西金三助家文書、小名浜代官所支配下の楢葉町及び広野町所在の文書の調査を進めている。

 

「桧枝岐村の絵図」

 

この村絵図には村内にある家屋やそこに住んだ農民の名が書かれており当時の村の姿がよくわかる。

絵図の右上には次のように書かれている。

高百三拾壱石四斗三升 本田

壱石四斗九升四合 新田

家数 七拾四軒八十三竈

人数 三百拾八人内 男 百八十二人

女 百四十四人

文化七午年改 (文化七年=一八一〇年)

 

一方、これまで調査した文書のうち、長谷部大作家文書二七二八点、馬場新家文書五五九点、檜枝岐村文書約一六四一点、合計約四九二八点を収録した「古文書緊急調査報告書第一集」を本年度中に発行する予定である。

なお、県文化センター歴史資料館では七月一日から九月三十日まで本調査の成果である「南山御蔵入領叶津、檜枝岐両口留番所関係古文書展」を開催した。

この古文書展には一般観覧者をはじめ、交通史、経済史の研究者、また新潟県史編集室、小出町史編集室など遠く県外からの見学者もあり、好評のうちに終了した。

 

六 年中行事調査

 

近年の産業経済の発展や社会構造の変化によって、伝統的な生活様式や風俗慣習は、著しく変容している。

そのため、それを基盤として成立してきた年中行事も変化し、あるものは衰微にひんし、失われたものも少なくない。

このような状況にかんがみ、この調査は県内全域にわたって年中行事のすべてをひろいあげ、保護対策の基礎資料とするものである。

昭和五十五年度には、その一次調査として、市町村教育委員会の協力で所在確認調査を実施し、一四四二の資料を得た。本年はその中から特に価値の高いと思われるもの十か所前後を選んで詳細な現地調査を実施している。

この報告書は来年度刊行の予定である。

 

七 工芸品調査

 

県内に所在する工芸品のうち、漆工品、木工品、竹工品について昨年度から、三か年継続で基礎調査を行っている。

昨年度は、県内各市町村教育委員会の協力を得て各管内の工芸品について一次調査を実施したが昭和五十六年三月三十一日現在の一次調査の結果は表14のとおりである。

本年度はこの一次調査の中から価値の高い作品を選び、二次調査(現地調査)を次の調査員に依頼して調査を行っている。この結果については来年度中に報告書を刊行する予定である。

○県文化財保護審議会委員 高瀬喜左衛門 梅宮茂菊池 貴晴

○会津若松市文化財調査委員 山内 清司

 

八 第三十一回福島県民俗芸能大会

 

県内に継承されている民俗芸能を公開し、民俗芸能に対する一般の認識を深めるとともに、その正しい継承と保存を図るため、毎年県内各地をもちまわりで開催しているが、本年は九月十三日石川郡平田村で行われた。特に、初めての試みとして、永田小学校の校

 

桧枝岐村文書

桧枝岐村文書

 

 

 


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