教育福島0067号(1981年(S56)12月)-021page
庭に屋外の舞台を設け、一部は舞台で他は土の上で伸び伸びと演じていただいた。これは民俗芸能は本来、土の上で行われるものが多いため、できるだけそれに近づけたいためで、幸にも天候にめぐまれ、大きな成果をあげることができた。
公開された芸能は、次のとおりである。
l、北又の獅子舞 (霊山町)
2、笹山の太々神楽 (船引町)
3、小塩の早乙女踊 (伊南村)
4、塚原の田植踊 (小高町)
5、駒形念仏踊 (平田村)
6、南宿の白鍬踊 (玉川村)
7、大和久の天道念仏踊 (矢吹町)
8、永田観音盆踊 (平田村)
主催 福島県教育委員会 平田村、平田村教育委員会 福島民友新聞社
九 大内宿保存特別対策事業
南会津郡下郷町大内宿が本年四月十八日付をもって国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。
今回選定された地区は、旧南山通りに沿った宿場を中心として南北約五百メートル、東西約二百メートルの範囲で、この地区は現在も宿場当時の姿をよく残し、旧街道の南側に、寄棟、茅葺の建物が道路から一定範囲後退して立ち並んでいる。周囲の自然環境もよく保存され、旧宿場の景観を残している。
下郷町では、これを機会に住民の理解と協力を得ながら大内宿の保存と整備に着手した。県もこれを受けて、県教育委員会の重点施策の一つとして本格的に保存整備に取り組むことにしている。
今後予定されている保存事業は次のとおりである。
国庫補助事業
茅屋敷の葺替え・修景
設明板の設置
消火設備等の防火施設
県単独補助事業
電柱、電話柱等の移設
道路のとりつけ
本陣の再建
茅保存庫の新設
表通りの復元
町単独事業
駐車場造成及び付属施設の設置
茅保存庫の新設
十 各地方言収集緊急調査
近年のマスコミュニヶーションの急速な発達によって、方言は全国的に変化し、失われつつある。
方言は日本語の古い姿を残すとともに、地方の民俗や風土に密着して成立したものだけに、高い文化史的価値を有している。そのため本年から三か年継続で、菅野宏福島大学教授ほか六名を調査員に依嘱し、系統的に調査する
表14 工芸品一次調査報告状況
北又の獅子舞(霊山町)
茅屋根の葺替え(下郷町・大内宿)