教育福島0067号(1981年(S56)12月)-035page
(三) 図書館振興事業
町立図書館創立を記念し毎年開館記念日に行事を行っている。昭和五十五年一月には、クイズ当選者の表彰及び青年学級生による人形劇「竹とり物語」の実演を行った。本年は、同学級生による演劇「クレモンの空」が行われ大変好評であった。図書館の啓蒙と地方文化の一役をになったものと思う。
(四) 読書感想文の募集
望ましい読書の習慣、態度の形成を第一義に考え各機関で行う従来のコンクール的な形式から離れ、だれでも自由にしかも無理なく応募できる姿勢を保持するようつとめた。各賞はつくらず応募者全員に参加賞を与えている。この趣旨により昨年は、管内学童より七百七十編の応募があった。図書館発刊の「けやき」第一号には内五十五編を発表し他は題、学年氏名のみをのせた。この「けやき」第一号は応募者全員と教育関係者に配布した。本年も前年どおり実施するため現在進行中であり、昨年を上回る応募数が予定されている。
(五) 読書感想画の募集
「読書週間」関連事業として、昨年十一月に実施したが、管内小・中学校生徒の応募数は二百点にのぼった。応募画は画版にかかげ学校ごとに学年氏名記載のうえ図書館広間に三か月間掲示した。作品は、適宜交換をして多くの作品を掲示したがまことに好評であった。
(六) みずの会の活躍
常時町立図書館を利用しているお母さんたちの読書愛好グループ(みずの会竹市一枝会長)が本年四月から発足した。本年度のテーマは、 「愛」についてで、毎月二回討議が行われている。他に大型紙芝居の製作や先進地視察なども計画されている。将来は各地区にこの種のグループの育成を見込んでいる。
(七) 巡回文庫の設置
交通機関などにより町立図書館を利用することに不便を感じている地区に図書を巡回し、読書に対する機会の提供と読者層の拡大を図ることを目的とし、七月以降に実施した。児童生徒の夏休み期間は、管内八か所の地区を選定し行政区長の推せんによる管理者を委嘱し行ったが好成績で終了できた。その後五地区より継続実施の強い要望があり協議の結果、次のとおり継続実施にふみ切った。旧社川村(堤区・福井区)、旧近津村(寺山区)、旧高野村(強梨区)、旧山岡村(岡田区)である。いずれも旧村部の中心的位置にあり事業の波及効果が期待できる地区である。
三 むすび
昭和六十年を目標に棚倉町立図書館の整備計画を次のとおり定めた。
1) 蔵書数を町民人口に比例し二万冊にする。
2) 図書数の増加にともない書庫を増築する。
3) 巡回文庫用車輌を設置する。
4) 視聴覚器材の整備を図る。
5) 人員増(専任司書二名・事務職員一名、運転手兼主事二名)を図る。
以上を目標に前進してゆきたいと考えているところである。
(町立図書館長 宗田哲夫)
受付風景
林間おはなしの部屋
児童閲覧室