教育福島0072号(1982年(S57)07月)-008page

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特集

 

高等学校における生徒指導

 

はじめに

 

今日の高等学校教育は、進学率九四%を超え、中学校卒業者のほとんどを対象とするいわゆる国民的教育機関としての役割を担うことになった。

このような状況にあって当然社会の変動や価値観の多様化とともに生徒の多様化も進んで、能力・適性・興味・関心・進路の希望ばかりでなく、意識や行動様式の面においてもその傾向が強く、また、基礎学力の不足していろ生徒や目的意識に乏しい生徒が多く声学するようになった。

その結果、学校生活への不適応現象がみられ、学校の内外における様々た問題行動に走る生徒が生じている。

近年の問題行動は、暴力非行・窃次非行の著しい増加と低年齢化や集団化の特色を強め、一般化の傾向が進んでいる。

こうした憂慮すべき現状の打開を図るには、まず学校が自らの問題として主体的に取り組み、学習指導や生徒指導・進路指導等の改善・充実を期するとともに、中学校・家庭・地域社会との連携強化を図り、それぞれの機能庁十分に発揮しながら、多角的・総合的に生徒の健全な育成を推進していかたければならない。

この意味において、今回は地域ぐるみの生徒指導推進や中・高連携による生徒指導等、生徒指導推進地域及び牛徒指導研究推進校の実践研究の一端を紹介し、各地域及び各校の生徒指導のあり方についての参考に供したい。

 

一、五五・五六年度の二か年間、生徒指導推進地域として県の指定を受け児童・生徒の意識調査をもとに、問題点を学校・家庭・地域社会が一体となり研究協議し、在学青少年の健全育成の推進を図ったいわき市の活動状況。

 

二、県指定の生徒指導研究推進校として、五五・五六年度、中・高及び隣接高等学校との連携の強化について研究を進めた船引高等学校・石川高等学校の研究成果。

 

三、五六・五七年度県指定の生徒指導研究推進校として、学校生活における基本的生活習慣と集団の規律の確立を、生徒の主体的活動を通して推進している会津農林高等学校の中間報告。

 

四、五六・五七年度の文部者の指定を受け、学校生活の基礎的な場であるホームルームについて改善を図り、ホームルームの機能を十分発揮しながら、生徒が意欲的に活動できるようホームルームのあり方について実践研究している梁川高等学校の中間報告。

 

地域ぐるみの生徒指導の推進

 

学校・家庭・地域社会が一体となった地域ぐるみの生徒指導を推進することによって、在学青少年の健全育成を図るとともに、生徒指導に関する指導体制の確立に資することをねらいに、県教育委員会は昭和五三年度より二か年間ずつ、生徒指導推進地域を指定してきた。

いわき市は郡山市に次いで、昭和五五年度から二か年、その指定を受けて諸活動を推進してきた。

第一年次は、従来行われてきた青少年健全育成活動の中に生徒指導を組み入れるための組織づくりをはじめ、地域指定の趣旨に基づいた活動を展開し第二年次はそれらを基盤として更に活動を充実させるとともに、地域ぐるみの生徒指導の体制の確立を図った。

指定期間は終了したが、地域社会としてのいわき市が今後、地域ぐるみの生徒指導を推進するための多くの成果と課題を得ることができた。

生徒指導推進地域にとしての第二年次の推進概要は、おおよそ次の通りである。

 

一 生徒指導推進会議の開催

 

生徒指導推進地域の活動を推進する

 

 

 


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