教育福島0072号(1982年(S57)07月)-016page

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画する。

3 連携を内容的に充実させるための研究を推進する。

4 連携して指導した生徒の事前研究を計画する。

5 学校主導型から保護者の手による「方部別懇談会」の開催

 

◇中学校側の成果と今後の課題

 

一 成果

 

(一) 中学校の訪問によって、高校入学校の生徒の様子を知ることができ、今後の中学校での生徒指導、進路指導についての見通し、改善に役立てることができた。

(二) 高校の授業公開や研究協議会等に参加し、高校の教育活動について理解を深めることができた。また、学習指導法の改善を図る意味からも大変よい機会となった。

(三) 合同の校外指導等を通じて、中・高教師の人間関係が、より密接になった。

(四) 中体連行事への協力(高校教師の役員審判、施設貸与など)や高校生の母校訪問による部活動指導等で、高校への親近感を深めている。

 

二 今後の課題

 

(一) 中・高連携を更に前進させるために、年間を通しての計画的な交流を図りたい。

(二) 中学校を交えての方部別保護者懇談会を充実させ、地域ぐるみで取り組む生徒指導をめざしたい。

(三) 中学校として高校に生徒を送り出した後も、生徒を見守る姿勢でありたい。

 

規律ある生活の指導

 

一 会津農林高校

 

会津農林高校は、明治四〇年、農業自営者養成を目的に、河沼郡農学校として設立されたものである。以来七五年間、会津地方の農業教育の中心校として、地域社会に幾多の人材を送りだしている。

現在は、農業、家政など六科、生徒数約七〇〇名を有し、近代農業経営者にふさわしい人間づくりと、実践力を備えた産業人の育成を目ざし、全職員一丸となって努力しているところである。

 

二 研究主題の設定

 

近年の急激な社会構造の変化は、農業高校に、多くのひずみをもたらしており、会津農林高校もその例外ではない。

入学志願者は、年々減少し、この数年募集定員に満たない状態が続いている。

それに伴ない、学習意欲に乏しく、目的意識の希薄な生徒が多数入学してくるのが現状である。このことが、生徒の生活、行動面にも反映し、その指導に苦慮しているところである。

このような状況の中で、生徒一人一人の社会的資質や行動を高め、自己確立を図る指導としては、(1)基本的生活習慣と集団の規律を確立すること、(2)判断力と自制心を高めること、(3)集団の一員としての自覚を高めること、(4)高校生活への意欲を高めることなどが肝要である。その基盤となるのが、日常における規律ある生活であるという認識から、研究主題を「規律ある生活の指導」とした。

 

三 研究の方針・計画・組織

 

(一) 研究方針

(1) 理論に流れることなく、実践的な研究とする。

(2) 指導の結果を常に評価し、指導の改善に役立てる。

(3) 教師の一方的指導に終わることなく、生徒会を頂点とする生徒の自主活動により定着を図る。

(4) 生徒の自主活動の推進にあたっては、結論を急ぐことなく、その過程を大切にする。

(二) 研究計画

当面する生徒指導上の課題として、次の六項目を取りあげ、全校的体制でその改善、充実に取り組むことにした。

(1) しつけ指導の徹底

(2) 部活動の推進

(3) 交通安全のための「四プラス一ない運動」の推進

(4) 教育相談の充実

(5) 志学会(生徒会)活動の推進

(6) 家庭との連携強化

第一年次は、意識調査により生徒の実態を把握した上で、生徒会の活動を通して、前記1)、3)、6)に重点的に取り組むことにした。

(三) 研究組織

表3の通り、指導部内に実践項目に対応する六つの班を組織し、研究

 

表3 研究組織

表3 研究組織

 

 

 

 


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