教育福島0072号(1982年(S57)07月)-018page

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で話し合う」、「ポスターなどで呼びかける」などの方策が提案された。

(3) 校内外の巡回指導

無断外出、無断早退防止のための昼休み時の巡回指導、居残り生徒への一声会話を中心とした放課後の校内巡回を実施した。いずれの場合も、対話を通して教師・生徒間の親近感を深めるよう配慮した。

(4)夏休みの作文課題

テーマを「高校生としての自分をみつめて」とし、自己理解の深化をねらいとした。

提出された作文は個人面接やHRに活用した。

(三) 交通安全指導の実践内容

(1) 交通事故絶滅運動

生徒の交通安全委員会の企画により、「事故ゼロ」をスローガンに次のようなキャンペーンが展開された。

1)HRでの呼びかけ運動

2)交通安全看板の作製・掲示

3)交通安全ポスターの募集・掲示

4)交通安全作文の募集

「交通事故をなくそう」といらテーマで全校生から作文を募集し、各クラス二点を選び文集としてまとめた。作文は全校集会やHRで発表するなど活用を図った。その他、免許所有者に対する交通安全教室、生徒会役員と校長・関係教師との話し合いなどを実施し生徒の指導方針に対する理解を図った。

(2) PTA総会における「四プラス一ない運動」推進の決議

(四) 家庭との連携強化のための実践

(1) 方部懇談会の開催

PTAの企画により七方部で開催され、各方部で「四プラス一ない運動」の推進、非行防止のための「一声運動」が決議された。

(2) PTA総会の工夫

事務的な内容はなるべく少なくし、講演会・生徒活動の紹介など魅力ある総会を工夫し、出席率の向上を図った。

 

五 研究実践の成果と今後の課題

 

以上のようほ、第一年次から多くの実践が展開された訳であるが、その成果と評価および今後の課題について述べることにする。

(一) 研究実践の成果と評価

(1) 生徒の実態に即し、当面する生徒指導上の課題をとらえた実践的研究であること。

「しつけの指導」、「交通安全指導」、「家庭との連携」などは、研究指定の有無にかかわらず取り組まなければならない課題であり、これらを的確にとらえ実践したことが第一年次からの成果につながったのであろう。

2)生徒の自主活動を軸に展開されたこと。

指定による研究はややもすると生徒不在の研究に陥りやすい傾向がある。

また、各校で生徒の自主活動の低迷が指摘されている中で、本研究実践が生徒の自主活動を中心に展開され、この結果、生徒の自主活動を促したことが最も高く評価される点であろう。

3) 管理的指導と内面的指導の調和が図られていること。

「規律ある学校生活」は、教師粘り強い指導と生徒一人一人の自覚の高まりによって定着するものであろう。

本研究実践は、教師の一方的な指導に終ることなく、作文や標語などによる内面化の指導が同時に実施されていることも評価に値することであろう。

(二) 今後の課題

1) 内面化を更に深めるための教育相談の充実。

2) 学校生活の中核である学習活動を充実したものにするための「わかる授業」、「学習習慣確立」への取り組み。

3) 高校生活への意欲を高めるための部活動を含めた特別活動の充実

4)生徒の自主活動を一般生徒にまで浸透させるための指導。

以上、第一年次の研究実践の概要と今後の課題について述べたが、研究方針にもあるように、常に指導の結果を評価し、指導方法の改善を図りながら全校挙げて取り組んでほしいものである。

また、本研究実践を通して芽ばえつつある生徒の自主活動が生徒会の伝統にまで高まることを期待するものである。

 

新しいホームルームヘの取り組み

 

一 梁川高校

 

梁川高校は、伊達家四百年の居城であった梁川城二の丸跡地にあり、美しい自然と恵まれた教育環境にある。生徒数は七四〇名、男女共学の普通高校である。

生徒は純朴で協調性に富み、生活態度も良好であるが、自主性・積極性に乏しく、計画性に欠ける面がみられる。

進路は、就職が七〇%、進学二五%その他となっている。就職者のうち八五%が地元に残るようになった。

保護者の職業は、農業が四二%を占め、会社員二六%、公務員等七%である。

 

 

 


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