教育福島0072号(1982年(S57)07月)-027page
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東西南北
少年消防クラブ活動
南会津教育事務所
南会津郡は、県下一広い面積を持つ地域である。しかも、面積の大部分は山林である。自然環境に恵まれている反面、生活条件はきわめて厳しい環境の地でもある。
特に、冬期間の積雪による物心両面にわたる負担は、計り知れないものがある。なかでも、冬期間の火災発生ともなれば、消火活動はたいへん困難な状況におかれている。
こうした地域の自然環境を考える時学校教育の一つとして、児童生徒に生徒に対する「防火思想の普及と徹底」を重視し、指導の強化を図る必要がある。
昭和五十五年五月、南会津地方広域消防本部と田島小学校では、少年消防クラブの結成について協議「児童に対する防火思想の普及と、初期消火の理解」を目的に、六月、郡内初の少年消防クラブの結成をみた。これを契機に、郡内小学校に対し、消防本部が中心となってクラブ結成の啓蒙に努めた結果、五十六年度に、館岩、南郷村四校、只見、田島町四校の八校が結成するにいたった。
この少年消防クラブの活動内容をあげてみると。
(一) 防火ポスターによる防火思想の普及活動。
(二) 関係機関の防火活動への協力
(三) 消防活動と、防火設備に対する児童(団員)の理解
(四) 避難訓練行事での消火訓練などである。これらの活動をとおして児童や地域住民に防火思想の普及と、団員の火災予防への関心を高めるよら努めている。
具体的な活動計画は実態に応じ、また南会津地方広域少年婦人防火クラブ委員会の下で各校との連携がもたれている。
目的達成のために活動している実践例として、田島小学校少年消防クラブの活動状活を紹介する。
一、組織編成
(一) 五、六年生を対象に、男女各二十名と、鼓笛隊三十名の二小隊で編成。
(二) 学校長を団長として、副団長に担当教師、児童側から中隊長、小隊長二名、旗手一名。
(三) 団長、副団長は、南会津地方広域少年婦人防火クラブ委員会の委員を兼ねる。
二、活動内容
(一) 規律訓練
消防本部の指導・援助により、団員の点検・点呼の受け方の訓練
(二) 火災予防鼓笛パレード
春の火災予防運動の一貫として田島町・消防本部・町消防団合同の町内鼓笛パレードを実施し、地域住民への防火啓蒙活動。
(三) 消火活動の模擬訓練
避難訓練後、行事の一貫として団員七十名による消火活動を実施し、消防活動への関心の増進。
(四) 校内防火設備の点検
副団長の指導により、校内防火設備を点検し、その機能の理解。
(五) 防火ポスターによる広報活動
(六) 田島町消防団検閲式への参加
(七) 期待証の交付
卒業するクラブ員に期待証が消防本部より与えらる。これは地域や家庭生活のなかに生かしていくよう期待する意を表している。
(田島小学校教頭 佐藤武)
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検閲を受ける田島小消防クラブ
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