教育福島0072号(1982年(S57)07月)-029page

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についての自分の考え、自分の立場をはっきりさせるための資料。

3) 課題追究の過程におこる思考のゆれや転換、あるいは学習内容の整理、反省。

4) 板書や友達の発表やその資料などから自分にとって必要なものを選んで記録する。では、次に「どう」書くかを考えることにするが、どう書くかについて細かく決めていくことは、ノートを個性のない、画一化されたものにすることであるので、個性化、主体化するためのポイントを考えてみた。

1) 課題を赤の色えんぴつ、まとめを青の色えんぴつの直線で囲むことだけをきまりとする。

2) ノートは、どこから書いてもよいことにする。横書きの場合の、左から右へ、上から下へという書き方にこだわらない。

3) 文字だけでなく、絵や図などをたくさん書いてわかりやすくすること。

4) 文字の大きさ、太さにこだわらず自由に書くこと。

5) 筆記用具はえんぴつが中心だが、色えんぴつ、フェルトペンなども自由に使えるようにする

6) おどろきの声やつぶやきをそのまま書くようにし、関係の記入や是非の記入に記号を用いる

(三) 新しいノートづくり

これまでのノートの問題、そして、子供の学習を主体化するためのノートのあり方を考えると、まず、これまでのノートの「形」を問題にせねばならなくなった。

1) ノートの形

・ノートは無罫で、B4を用いることにした。つまり、具体的に言えば、キリン紙一枚ということである。

・一課題一枚を原則とし、横書きであったので、左とじとし穴をあけてB4のファイルにとじこむことにした。つまり学習とともにふえていくノートである。

2) ノートづくり

・特に、歴史学習で実践したが「私の日本の歴史」という本をつくるというめあてを持たせて、ノートづくりをさせた

・ノートを切る、折る、新しいノートあるいは資料をのりづけするなどということも自由におこなわせた。

(四) 新しいノートのできるまで

1) 古いノートからの脱却

新しいノートになって、子供がつまづいていたことは、

ア 文字がまがること

イ どこから書いてよいかわからないこと

ウ 空白が多いと気になることなどであった。

2) 書くことを意欲的にした絵や図。

聖徳太子とか家光、あるいは農民の絵を書いて、それにふきだしをつけて、人物になつたっもりで台詞を書き入れるとか、古墳の絵、大名行列の絵など、絵や図でなければ表現できないような子どもの思考、本音がとらえられるようになった。

3) ノートの構造化と思考の流れの表現

課題を中心に、解決のための資料や自分の考えを関係的に書けるようになっただけでなく、自分の考えがどう変わっていったかについても矢印などを用いて表現できるようになった。

 

四 今後の課題

 

子供は、このノートに、自分から進んで、自分の考えや意見を意欲的に書くようになったが、板書から何を選んで書くか、友達の話の何をメモするか、そういう力が十分でない。ノート指導もやはり授業にかかっているという結論が見えている。

 

・ノートの具体例

 

 

 

 

 


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