教育福島0072号(1982年(S57)07月)-030page
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グループ研究・福島県立棚倉高等学校
本校における性教育の実践
性教育推進プロジェクトグループ
一 はじめに
性教育の推進にあたっては、生徒の実態に即して校内の全教師が組織的、計画的に取り組むことが肝要である。
私たちは、昭和五十六年度に校内で「性教育推進プロジェクトグループ」を十三名で結成することができ、保健体育、家庭一般、生物、倫理社会、美術ホームルーム、個別指導(教育相談、健康相談、部活動)などの各領域ごとに実践を試みた。そのなかで、ホームルームと倫理社会における実践例について紹介します。
二 ホームルームにおける指導
(一) 主題 「性と社会的責任」
(第三学年 時間配当二時間)
(二) 主題設定の理由
興味本位の性情報のはんらんによって、高校生の中には、異性に対して誤った認識をしている者も多い、そのため、異性への異常な関心が高まり日常生活においてきわめて不安な状況におかれている場合も認められている。
そこで、性行動に伴う諸問題について理解させることにより正しい性知識を身につけさせ、人間として豊かな生活を送らせるための望ましい方向を見い出させることが必要である。
(三) 主題の内容構成と目標
1)「男女の性心理」 (本時)
男女の性に対する心理の違いを理解させ、男女の望ましいあり方についての知識を身につけさせる。
2)性行動に伴う諸問題(次時)
男女の生理や役割の違いを理解させ、性病、売春、人工妊娠中絶のへい害を通して、性に対する正しい知識や自己統制力を養う。
(四) 本時の指導過程 (表1)
表1 本時の指導過程
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(五) スライドの構成内容
「女子の性心理」 (アーニ出版)
男女の性心理のちがいを生物学的、比較行動学的、歴史的、未来学的考察をもとに解明しており、同世代の高校生の会話を中心に次の項目を基本に編集してある。1)性心理を学ぶ意味2)異性拮抗期 3)性的嫌悪期 4)年長異性思慕期 5)異性接触欲差6)BF、GFを求める動機 7)性行動のメカニズム 8)抑制の心理 9)価値観と性行動10)男らしさ、女らしさ11)ペアを組む意味12)人間らしさ
(六) 生徒の反応
女子A「男性の心理がよくわかりました。遊びで交際を求めているのか、本気なのかよく見わけられるようにしたいと思います」
女子B「性行動の動機が男と女ではあんなに違うのにビックリ。私はあまい言葉やムードに負けないような強い意志を持ちたい」
男子A「スライドは一般的なことであり自分の考えとはちがっている」
男子B「やっぱり男は女に思いやりをもって接したい。セックスそのものが大切じゃないんだ。もつと心と心の触れ合いを大切にすべきだと私は今の高校生に言いたい」
男子C「スライドで、男のいやらしさがわかりました。男はもっと真剣に愛について考えなくちゃ。私は思いやりをもって生きたいと思う」
女子C「男と女の心理のちがいを理解できたような感じです。でも男の人も悪いけど、その男についていく女も悪い。自分の将来のこと
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