教育福島0072号(1982年(S57)07月)-040page

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子供を水の事故から守ろう

 

泳ぐときは細心の注意を

 

(財)日本水泳連盟副会長

 

古橋廣之進

 

ッ子たちでいっぱい。水しぶきの中で、どの顔も輝いて生き生きしています。

 

夏休み……海やプールはチビッ子たちでいっぱい。水しぶきの中で、どの顔も輝いて生き生きしています。

しかし、その半面、毎年ちょっとした不注意から、思いがけない悲しい事故が相次ぎます。

昨年夏(六〜八月)に、海や川、湖沼などで水の犠牲となった子供(中学生以下)は四百十人を数え、同じ期間中の交通事故による死者二百七十一人をはるかに上回っています。

水をことさら怖がる必要はありませんが、かといって、甘くみると取り返しのつかないことになります。

子供を水の事故から守るために、海や川、プールなどで泳ぐ場合は、十分注意しましょう。

 

出掛けるとき

 

★一人では絶対こ泳ぎに行かせないようにしましょう

 

★一人では絶対こ泳ぎに行かせないようにしましょう

 

数人の友達グループか、保護者が同伴するようにしましょう。一人では、いざというとき助けを求めることはできません。

 

★寝不足、空腹、疲労は水泳の大敵です。

 

海水浴に出掛ける場合、朝が早いと朝食抜きになりがち。朝食はきちんと食べてから出掛けましょう。おなかペコペコで一目散で海に飛び込み、心臓マヒなどを起こす子供が多いのです。ただし、食後すぐに泳ぐのはよくありません。少なくとも食後二時間たってから泳ぎましょう。

また海水浴の前日は、睡眠不足にならないように気をつけましょう。

 

泳ぐ前

 

★ 泳ぐ前には、少なくとも五分はかけて準備体操をしましょう。

 

★ 泳ぐ前には、少なくとも五分はかけて準備体操をしましょう。

 

準備体操は、自分の体調を知る一つの目安になります。「どうも体調が悪いな」と感じたら、無理をせず、しばらく休みましょう。

準備体操の目的は、関節をはじめ体全体を柔らかくするとともに内臓機関の働きを高め、「さあ、これから水に入るぞ」という心の準備をすることにあります。心の準備ができていないと体の機能が“水の中”という環境の変化についていけず、心臓マヒなどの事故を起こす原因になります。

 

★ 水に入る前、シャワーがあればたっぷり浴び 海や川では足、手、顔、頭といった順序で、心臓に遠いところがら水につけるようにしましょう。

 

いきなり水に飛び込んだりするのは危険です。徐々に体を水に慣らすことが大切です。また、水に入ったら、しばらく軽い泳ぎでウォーミング・アップをし、体がほぐれ、水に慣れてきてから本格的に泳ぎましょう。

 

泳いでいるとき

 

十五〜十分ぐらいが限度です。何度も水から上がって泳ぐようにしましょう。

 

★ 子供の場合、一回の泳ぐ時間は十五〜十分ぐらいが限度です。何度も水から上がって泳ぐようにしましょう。

 

楽しいからと、長時間ダラダラと泳ぐのは禁物。子供は疲れたという自覚がありません。おとなの目から見て元気そうに見えても、一分後には急にグッタリと体調に変化をきたす場合が多いのです。唇の色、顔の表情、話し方、態度などに十分注意しましょう。

 

★ 泳げない子供は、浅瀬で遊ぶくらいにとどめましょう

 

友だち同士の競争で、無理をして泳ぎ、大きな事故につながることがあります。気を付けましょう。

 

水着

 

材質・デザインなどすべて泳ぐ目的のためにつくられていますから安心です。

 

★水着は、できるだけ競泳用のものを選びましょう。材質・デザインなどすべて泳ぐ目的のためにつくられていますから安心です。

 

女の子の場合、ヒラヒラのフリルのついた水着は思わぬところにひっかけたりしますし、男の子の場合も、バミューダ形式のものは泳いでいる途中に下がってきて、足の自由を妨げることがありますので危険です。

 

 

 

 

 

 


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