教育福島0073号(1982年(S57)08月)-011page

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たい。

ア 学年・学級の経営方針を明確にすること。

学年・学級の目標を達成するための具体的方法や指針を明確にしておくことが、学年内の各教師の共通理解を深め、実践を推進することになる。

イ 他学年・学級との連携を図ること。

学校の教育目標は、一学年、一学級の実践のみでは達成されない

その学校の教育活動全体を通してつくり出される雰囲気、校風が土台とならなければならない。

この意味で、教師一人一人が、たえず学校全体の立場で考え、協力する姿勢が必要である。

ウ リーダーシップとフォロワーシップの調和を図ること。

実践過程において、学年主任と学級担任、あるいは係主任と係との間で、管理的機能ではなく、指導助言の機能が有効に働いていることが大切である。

エ 保護者との連携を強めること。

学校の教育目標は、最終的には一人一人の児童生徒の行動目標(到達目標)として初めて具現すると言うことであれば、学校生活のみならず、家庭生活も実践の重要な場となってくる。

このため、学校の教育目標及び学年・学級の目標を保護者にも周知徹底し、共に具現に向かって努力すべきである。特に小学校低学年では、一人一人の児童の到達目標を知ってもらい、共通の立場で援助指導をすることによって、より以上の大きな成果を上げることになる。

 

二 ゆとりのある充実した教育課程

 

(一) 指導計画の吟味

 

指導計画は、学校で編成された教育課程に基づいて、各教科、道徳及び特別活動等のそれぞれについて、学年ごとあるいは学級ごとに、指導目標、指導内容、指導の順序や方法、使用教材時間配当等を定め、指導活動が発展的系統的に進められるようにしたより具体的な計画である。したがって、指導計画とその展開は、教育課程を実施に移すために重要な意味をもっている。

学習指導要領には、第一章総則をはじめ第二章以下で、各教科、道徳及び特別活動の指導内容や、指導計画作成に関する配慮事項などを示しているので、各学校では、これらの事項に留意するとともに、地域や学校の実態などを十分考慮し、学校の創意を生かした指導計画を作成する。

特に、各教科、道徳及び特別活動の指導計画が適切に立てられているかどうかを吟味して、全体として調和のとれた具体的な指導計画を作成することが必要である。

1) 各教科等の目標及び内容は、学習指導要領に示されている目標・内容に照らして適切であるか。

2) 指導目標や指導内容の重点の置き方は、学校の教育目標、地域や児童生徒の実態に即しているか。

3) 基礎的・基本的な事項に十分配慮して教材が精選されているか。

4) 指導内容の配列の順序及び指導の時期は、指導内容の相互の関連及び指導の発展発展系統性から見て適切であるか。

5) 指導内容の配列の順序、指導の時期は、地域、学校及び児童の実態から見て適切であるか。

6) 各教科、道徳及び特別活動の相互に関連が図られているか。

7) 指導の方法は、学校の教育目標、各教科等の特性、指導内容並びに地域、学校及び児童の実態に照らして適切であるか。学習の場、学習活動の形態や時間のとり方などについて工夫が図られているか。

8) 小学校低学年における合科的な指導は、関連する各教科のねらいが無理なく達成できるように計画されているか。

9) 学習の遅れがちな児童生徒や心身に障害のある児童生徒などについての指導が十分配慮されているか。

10) 指導と評価の一体化について考慮されており、弾力性をもった指導計画であるか。

11) 学習効果をあげるために、教材・教具や学習環境などとの関連が十分配慮されているか。

 

(二) 授業時数の運用

 

各教科、道徳及び特別活動の指導が一定の時間内で行われるためには、それらに対する授業時数の配当が、教育課程編成の上で極めて重要な要素の一つである。

授業時数に関しては、学校教育法施行規則及び学習指導要領で種々の規定が示されている。各学校では、これらの規定や趣旨を十分理解し、より充実した学校生活が送れるよう、地域や学校の実態に即して授業時数の運用に創意工夫を加える必要がある。

授業時数の運用で特に配慮すべき点として、

1) 各教科等の年間授業時数については、弾力的に考えること。

2) 各教科等の指導のための単元・題材などへの時間配当に工夫を加えること。

また、教育課程が計画に従って効果的に実施されるためには、授業時数が確実におさえられ、確保されることが大切である。そのためには、次のような点での配慮が必要である。

1) 予定変更等を余儀なくされた場合を考慮して、時数が確保されていること。

2) 時間割作成に当たって、学校規模施設・設備、学校行事や躍日等の調整を必要とする問題について十分配

 

 

 


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