教育福島0073号(1982年(S57)08月)-030page

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東西南北

 

新採用教員研修会

 

いわき教育事務所

 

今年度、いわき管内では一〇八名の先生方が新しく採用され、管内の小・中学校で勤務に励んでいます。

教育事務所では、この先生方に対して年間計画に基づき研修をすすめています。去る四月の研修会では、市の教育長の講話や指導課長の講義に熱心に聞き入り、ノートをとる姿が見られました。六月初旬には、磐梯青年の家で宿泊研修が行われました。この二泊三日の研修に参加して、次のような感想をのべております。

「センセイ」と言われるようになって、早いもので二か月半たちました。その間、児童理解に始まり、教材研究や数々の学校行事に無我夢中の毎日でした。特に問題ある児童の指導では頭を抱え込む程で、先輩の先生方にご協力いただきながら、何とか私なりの指導をしょうと悪戦苦闘していました。きっと、研修会に行けば何らかの糸口を見つけ出せるかもしれない、そんな思いで参加しました。

期待していた通り、講義は実にすばらしいものでした。特に、生徒指導の佐藤先生がおっしゃっていた、「児童の短所は知るにおよばない。長所だけを見つめればよい。」という言葉は、私の二か月間を反省させるに充分でした。私は、児童の悪い面ばかりを捜して「禁止事項」を作っていたように思います。どんな児童にも長所がある、それを捜しだすことが児童理解の第一であると強く感じました。

また、磐梯青年の家の規律の正しさには、心が洗われる思いがしました。それに、同じ悩みを持った仲間と語り合えたことは、今まで張りつめて、いた気持をときほぐしてくれました。

今、研修を終えて、新たな気持ちで子供たちに接していますと、心なしか少しずつ子どもたちがわかってくるように思われます。 −勿来一小・大川敦子−

「磐梯青年の家での研修はきびしいぞ」という噂のなか、不安のまま猪苗代へと向かいました。

しかし、磐梯青年の家では、大学時代の懐かしい顔が見られ、指導主事の先生の中に中学時代の理科の先生がいらっしゃったりして、不安が少し消えたようでした。

講義になり、じっと緊張して聞いていますと、私の未熟な授業を文句も言わずに聞いてくれる生徒のことが思いだされ、今までにない親近感を覚えるのでした。管内の教育事情について、自己紹介と学校紹介を兼ねた情報交換を行いました。新採用教員ばかりの集まりなので、気さくで楽しい研修となりました。各地区代表の体験発表では、それぞれの苦労話や失敗談の発表があり、今後の教育活動をすすめていく上での大変貴重なものを得ることができました。同じ立場にある者の心のふれ合いを大切にし、お互いに頑張ろうと誓い合いました。

三日間を通じて、有意義で楽しい研修をすることができ、満足感と充実感でいっぱいでした。

この生きた経験を、現場で、毎日の授業の中でいかし、信念を持って生徒たちを指導していきたいと思っています。 −内郷二中・長場壮夫−

新任の先生方は、いろいろな事を学びとり、日一日とその歩みを確かなものとしています。

この若い先生方が大きく育ち、いわきの教育、そして、福島の教育をより進展させてくれるよう願っている次第です。

 

盤青での宿泊研修

盤青での宿泊研修

 

 

 


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