教育福島0073号(1982年(S57)08月)-035page

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ウ 指定されたTitleに従った各自のTow−minuite Speechと質疑応答(約三十分間)さらに、年二、三回外人講師を招いて研修する。

 

(二)授業研究

 

1) 目的

わかる授業・楽しい授業を通して、生徒に英語学習に対して興味や関心を高め意欲的に学習に取り組まぜるためのより良い方法を、英語科教員全員による相互研修により追究し、各教師の英語教授能力を高めることを目的とする。

2) 内容と方法

次のような内容により、表面的な授業研究にとどまらず、遠慮のない意見の交換がなされた。

ア 授業に関する文献研究を含め、授業の実際を実施し、共同で観察研究する。

イ 各教員が年間に一授業を行ない

計画担当者の予定表に従い推進する。

ウ 授業日・授業学級などは授業者が決定する。授業者は事前に指導案を作製し、コピーした教材と共に観察者に配布しておく。

工 授業者はできるだけ同時間に他の英語科教員の授業のない日時を選ぶ。自分の授業が研究授業と同時間になった教員は、自クラスの自学習体制を確立し、研究授業を参観できるようにする。

オ 授業終了後に合評会をおこない授業者による自評と観察者による批評・教材観・生徒観・指導観などについて研究協議をする。

 

(三) 読書会

 

1) 目的

英語学習の目標は、英語を「生きた言葉」としてとらえ、それを日常生活の中で正しく運用できるようにすることである。「話せるけどよく読めない」とか「読めるけどよく話せない」とよく耳にするが、このことは、言葉を総合的に習得していると言えないであろう。

私たちは、過去四年間、英語の「聞き話す」技能を伸ばそうと共同研修を続けてきたが、最近専門書を読んでみようという声があり、O.JespersenのEssentials of English Grammar「英文法エッセンシャルズ」の輪読に取り組んだ。

英語を十分に習得することは困難を極め激しい修業を必要とする。私たち教師自ら四技能(聞く・話す・読む・書く)の有機的一体制を損うことなく総合的習得を最大目標にして励んでいきたい。

2) 内容と方法

毎月一回ずつ、放課後二時間を読書会にあてて、レポーターを中心に質疑応答をまじえながら、内容理解に努める。

一回に二人のレポーターが、それぞれ三章ずつ(平均三十ぺージ)を担当し、資料などを準備して進めていき、半年で一冊を読み終える。

 

(四) 共同指導

 

1)  目的

生徒個人の持つ英語の知識や能力を一定の基準でしかもできるだけ大きい規模で客観的に判定してもらい、真の実力者に対して公的に資格・評価を与えることで、生徒に自信とやる気を引き出してやりたい。この目的を達成するために、英語弁論大会への参加や、対外の試験を受けるように積極的に指導している。

2) 英語弁論大会参加者への指導

前記の主旨に従い、英語弁論大会への参加を積極的につのり、出場者選考にあたっては全員で審議の上決定し、原稿のみなおし、発音・発表態度など細部にわたり指導する。

3) 実用英語検定試験受験者への指導

英検第一次受験者のためには、練習問題を印刷・配布し、十日間にわたって、放課後の一時間を指導にあてている。さらに第一次試験合格者には、同じく約十日間にわたり、放課後一時間テープなどを用いSpeakingの指導をしている。

 

四 まとめと今後の課題

 

昭和五十三年度から五十六年度までの四年間さらには今年度もHearing・Speakingを中心とする校内研修を実践している。そして、研修の年次が進むにつれて、この研修が私たちの日常の教育活動や一般的な研修にさまざまに関わりがあることが明らかになってきた。生徒の聞く力の強化を真剣に思い、Hearingを常に指導過程に位置づけて授業する人、教材のStoryを口頭で導入し生徒をひきつける人、授業を始めから終りまで英語で通す人などさまざまな工夫がなされている。またEnglish Speaking Timeの自由なやりとりが授業研究の共同研修や読書会の誕生へと発展していった。ひとつの小さな研修から、メンバーの相互信頼が生まれ、友情が芽生え和気あいあいのうちに研修の充実となってきたと思う。

しかし、この研修が着実に発展し、実のあるものにするためには多くの問題もあり、一層の努力が必要であるように思われる。

今後の課題

(一) 研修内容の充実・強化

(二) 専門家やNative Speakerの指導助言

(三) 研修時間の確保

(四) 校内の他教科の職員の理解と協力

以上の点に十分配慮し、今までの実積の上にさらに充実した研修になるべく、新年度も継続努力している。

(代表 安彦隆雄)

 

 

 


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