教育福島0074号(1982年(S57)09月)-027page

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関心度を高めることができた。理科−自作TPの保有数は次のとおりである。(昭和五十七年五月末日現在)

・力とエネルギー……百二十一枚

・物質の構成と変化…百十二枚

・生命の探求…………八十三枚

・自然界の平衡………九十一枚

・人間と自然…………三十七枚

計四百四十四枚

また、OHPの活用に当たっては特に次の点について留意した。

1) TPは特定の教師による名人芸的なものでなく、理科担当者全員が指導に使用できるものであること。

2) TPにみあった資料(プリント等)を適宜生徒に配布し、生徒の集中力の低下を防止すること。

3) TPはカラーペラやカラーシート等で要所は鮮明に彩色し、生徒が注目するよう、同時に適宜イラスト等も挿入し、印象を深めることができるよう配慮した。また、色彩の配合等にも注意した。

4) TPは事前に慎重に吟味、検討し、公開授業を経て取捨選択、改良することとした。

5) OHPの簡便さに眩惑されてTPを多用しすぎ、多量の、不必要な知識を教えたり、十分に時間をかけて教えるべき内容を、生徒の能力を越えるスピード授業にならないよう注意した。

6) 理科はあくまでも、実験、観察が主体となるので、これがTPによって代替えすることのないように留意し、導入部分及びまとめの部分に大いに活用することとした。

(エ)パホーマンステストの重視

理科は実験、観察面の指導が大切であることはいうまでもない。ややもすると理屈に走り、実験実習の授業を遊びと混同しがちな生徒が多いので、共同指導体制の中で、生活指導も加味しながら、体験的学習指導の強化も試みてきた。実験の際は自己評定票を配布し、個別指導をしながら行わせているが、生徒は留意点を把握しやすくなり真剣に取り組む姿勢がみられるようになった。資料2は牛乳分析実習時に用いた自己評定票の部分例である。

 

四 授業の効果について(省略)

 

五 教師側の共通姿勢

 

「わかる理科1」をめざして、実業高校としての特質を考慮した授業研究の概要を述べたが、授業に当たり、教師側の共通姿勢として、どんな生徒にも必ず長所があるはずだから、その発見、伸長に努力すること。学力遅進者については、これを激励し、決して怒らないことにした。学習指導法は各校の実態に応じて、様々な方法があるわけであるから、本校の研究指導体制が唯一の特効薬でないことは、いうまでもない。これを機会に理科教育研究の交流の輪が、より拡大していくことを念願してやまない。

(代表・工藤馨三)

 

資料1 TPの実例

資料2 牛乳成分分析実習自己評定豪

 

資料2 牛乳成分分析実習自己評定豪

資料3 実験クラスにおける学習到達度の変遷

 

資料3 実験クラスにおける学習到達度の変遷

 

 

 

 

 


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