教育福島0074号(1982年(S57)09月)-030page

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教育センターから

 

小学校理科(A)講座

 

はじめに

 

県教育センターにおける小学校教員対象の理科講座は、小学校理科(A)講座(B)講座、(C)講座、移動講座がある。

小学校理科(A)講座は、前期四日、後期四日の断続研修で、理科主任を受講対象として設定している。実験、観察の指導法、教科経営、とりわけ授業研究が取り入れられ、前期に授業案を作成し、勤務校に持ち帰って実践をし、後期には授業観察の結果と比較検討ができるようにするなど、授業の在り方について研修し、その識見と指導力を高めることをねらいとしている。

今年度の本講座は、前期は七月二十六日より四日間行われ、後期は日程表にみる内容で十一月十五日より行われる。次に、その概要について述べる。

 

一 授業研究の方法とその実際

 

本講座における授業研究は、次のような順序で実施される。

(一) 事前研究

1)教材分析

・目標分析 ・構造分析 ・関連分析

2)児童の実態把握

3)授業案の作成

・単元の目標 ・教材について ・指導計画 ・研究テーマとの関連 ・本時の主眼 ・指導過程

4)授業者からの原案提示

5)班ごとに検討、修正

6)全体で検討、修正し、まとめる。

(二) 授業の観察

・研究テーマ、本時の主眼と授業との関連について、観察記録表を用いて記録する。

(三) 事後研究

1)観察記録の整理

2)問題点の摘出

・記録の記果を分析し、問題点を出し合う。

3)授業の考察・研究

・研究テーマに照らして、中核となる問題点をしぼって検討し、考察する。

4)まとめと今後の問題点

前年度は、福島市立余目小学校のご厚意により、受講者中の泉清教諭に第二学年の授業を提供していただき、−−「自発的に楽しく活動し、豊かに表現する子」をめざした低学年の理科指導−−をテーマに掲げて実施した。

まず、指導計画立案の段階で、次のようなことを共通に理解し合った。

児童の心身の発達特性を的確にとらえ、学年にふさわしい活動を生み出すための課題とその方策を明らかにし、児童一人ひとりが自然に楽しく活動できる場の構成をいかにするかということ。具体的には、

(ア)身近かな自然にたっぷりひたらせる時間的なゆとりの確保

(イ)児童一人ひとりの発想を大切にし、からだ全体で活動できる場の設定

(ウ)活動が楽しく、豊かに、しかも自然に展開されるような教材、教具、素材の工夫、開発

(エ)体験したことの喜び驚き、感動を言葉や動作、絵などで個性豊かに表現できる発表の場や機会を設けることなどの観点から立案することである。

以上のような観点で豆電球に明かりをつけるしくみや操作をいろいろ工夫させ、楽しく活動させながら電気の不思議さや驚き、楽しさを実感としてとらえさせ、さらに学習の成果を生かし楽しく遊べる「たんけんぼうし」などを作ったりしながら一人ひとりが製作活動の楽しさを味わうことができるように単元構成を考えた。

 

小学校理科(A)講座日程表(後期)

小学校理科(A)講座日程表(後期)

 

 

 


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