教育福島0074号(1982年(S57)09月)-031page
そして、回路の見方や電気の通り方を調べる楽しい活動を中核にして図画工作科の製作活動を取り入れた合科的な指導による単元構成を工夫し、「たんけんぼうしを作ろう」という題材を設け、授業案を作成した。
後期十一月にいよいよ授業の実施であるが、机の上での作業のイメージを一新し、広い体育館の中でダイナミックな児童の活動が展開され、新期の目的を達成することができた。特に、低学年児童の関心の傾向や、総合的な活動によってからだごと授業に没頭する姿には参観者一同感激した。また、授業後の研究でも合科的な指導の必要性を痛感させられた。
なお、今年度は、福島市立鎌田小学校での授業を予定している。今回は、高学年の理科指導、特に児童の主体的な取り組み、論理的な思考をいかに助長できるかに焦点を当て研修することになっている。
あっ! ついたぞ
二 野外研修
河川の植物と川の水のはたらき、地層の観察
(一) 松川の下流・中流での川原に生えている植物の種類や生え方などを線状測定で調べ、河川植物の生態分布を考える。
(二) 松川の下流・中流での川の水のはたらきと川原の礫を調べる。
(三) 穴原温泉付近や赤川上流で地層の重なりや広がりを観察する。
川原の植物調査
三 光とレンズに関する教材の実験と指導法
(一) 光の性質の教材化と扱い方
(二) 自作教具の工夫と実験法
(三) 光教材に関する指導法
四 気体に関する教材の実験と指導法
小学校における気体教材を状態変化と化学的性質に関する教材に分類し、それらについての指導法を実験を通して検討する。
五 水中の微生物の観察と指導法
(一) 水中の微生物の採集の仕方
(二) 水中の微生物の検鏡の仕方
(三) プレパラートの作り方
六 気象教材に関する実験と指導法
雲及び風の様子と天気の関係、太陽の高度と気温の関係などを調べる教材の検討をし、自作教具を用いて、それらの教材の指導法を考える。
七 夜間天体観測
各講座のたびに希望者に実施。
(一) 天体教材の指導法
(二) 天体望遠鏡の扱い方
(三) 望遠鏡による季節の星座の観測
おわりに
本講座では、授業研究を強調しているが、それはとりもなおさず児童から遊離した研修になってはならないことも意味している。児童、教師、教材が一体となってこそ真に授業に息づく研修になることを信じ、現場でのニーズに応えるため鋭意努力している。
最後に前年度、研修に参加された先生方の感想をあげてむすびとする。◇野外観察の方法としての川の流れ、石の大きさなどの調査などたいへんよい経験をしました。また、合科的学習について深められたいへん参考になりました。(中村第一小学校 佐藤三男)
◇グループでの討議、個人ごとの実験観察など現場へ帰ってすぐ役立っ内容が多く有意義であった。特に授業研究は、前期、後期を通じ大きな成果をあげたように思います。
(福島第三小学校 元田健一)
◇第一日目から実際の授業に、あるいは現職教育の上からも大変貴重な内容であった。第二学期へ向けて、少しではあるが勇気をもてるまでになった。
(猪苗代小学校 住吉秀雄)